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ドラフト戦線異常アリ 千葉ロッテが目指す「向こう10年を託せるスター選手の獲得」

 オコエ瑠偉(右投右打/関東一高)を1位入札する球団が現れるとしたら、千葉ロッテマリーンズではないだろうか。夏の甲子園大会を直接視察した林信平球団本部長は、こんなコメントを残している。
 「オコエ君が出てくると(打席に立つと)、球場全体の雰囲気が変わった」
 50m走5.96秒のスピードプレーヤーに魅せられた高校野球ファンも多かった。

 ドラフト会議とは、『補強』と『育成』の両方を秘めている。申し合わせたわけではないが、どの球団も、1位指名は即戦力投手の補強と位置づけ、高校生野手など3年以上先を見越した育成での選手指名は3位以下としている。1位で高校生野手を指名するのは、将来のチームを背負うスター候補を獲るときで、「即戦力投手の補強を諦めてでも」というリスクを覚悟しなければならない。また、プロフェッショナルの集団である以上、「育成に偏重するわけにはいかない」というのがホンネだ。しかし、千葉ロッテは主催ゲーム総観客動員数で、前年よりも多い132万2004人を集めたが、この数値は12球団ワーストでもある。即戦力投手の補強は棚上げしてでも、球場の雰囲気を変えることのできるオコエが欲しい…。千葉ロッテはそう考えているのではないだろうか。しかも、オコエの母親とロッテの内竜也投手の母親が従姉妹同士だったという。

 また、戦力補強を考えれば、先発タイプの投手を指名しなければならない。高橋純平(県岐阜商)、小笠原慎之介(東海大相模)といった即戦力に近い高校生投手は1位指名で消える。「1位オコエ」なら、2位以下で大学生、社会人の投手を指名することになるが、ほとんどの球団は「1位で高橋、小笠原か、有望大学生」の戦略であり、知名度では若干落ちる地方大学の投手しか残っていないかもしれない。社会人ならば、地元千葉県の拓大紅陵高、新日鉄住友かずさマジックの好左腕・加藤貴之(23)がいる。
 「千葉ロッテのスカウトには、有名社会人チームと太いパイプを持った人がいます。社会人選手に関する情報は他球団よりも秀でている」(在阪球団職員)

 地元ならば、千葉明徳高から、国際武道大学に進んだ右腕・鈴木康平(右投右打)も「まだ伸びしろがある」(在京球団スカウト)と、評価されている。
 「鈴木は高校時代から将来性で二重丸を付けられていた逸材です。高校時代は怪我に泣かされたが、長身から投げ下ろす(185センチ)直球の角度は、プロのバッターでもてこずるのではないか」(在京球団スカウト)

 今夏の甲子園大会の千葉県代表校・専大松戸の原嵩(右投右打)も、プロ志願届を出している。山本武白志(右投右打/九州国際大付高)は、元監督・山本功児氏の子息である。「まだ金属バット式の打撃」との声もあり、即戦力ではないが、今江、福浦、サブローといった主力選手の年齢を考えると、大砲候補は指名しておくべきだろう。

 昨年は「1位・中村奨吾(野手)、2位・田中英祐(投手)」といった、他球団と違う戦略を見せた。今年は独自の戦略だけではなく、社会人チームに強いネットワークも下位指名で発揮されるのではないだろうか。

※林信平球団本部長のコメントは共同通信社等の記事を参考といたしました。

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