「この窃盗事件は観音寺の他、同じ対馬市の海神神社から国指定の重要文化財『銅造如来立像』が、また多久頭魂神社の長崎県指定文化財である『大蔵経』が盗まれています。ほどなく犯人は逮捕され、韓国に持ち込まれた2体も売買される間一髪のところで回収されたことから、盗品として返還されるはずでした。ところが、窃盗犯の実刑が確定後、2体のうち『立像』は海神神社に返還されたものの、『坐像』の方は韓国に留め置かれたままだったのです。『大蔵経』は行方不明のままです」(地元紙記者)
韓国では、日本の文化のほとんどが「日本人が朝鮮半島から盗み出したもの」という韓国起源説がまん延しているため、「日本に略奪された韓国文化を取り戻しにいく」という名目で、組織的な窃盗団によって計画的に盗み出される事例が数多い。
「実は窃盗団は日本の重要な文化財の“リスト”を持たされているプロで、背後に国家的な黒幕がいます。怒りを禁じえないのは、例えば2001年に愛知県豊田市の隣松寺から盗まれた『絹本著色観経曼荼羅』が、韓国では国宝クラスと評価されていることです。これは中国の元朝由来のものであるにもかかわらず、韓国文化財管理局によって『日本所在韓国仏書図録』にリストアップされており、このような状況がありながら、当時の民主党の菅直人内閣は在韓日本文化財については完全に無視しておきながら、朝鮮半島由来の文化財の引き渡しを決定したため、さらに彼らを増長させる結果を招いたのです。何しろ窃盗団は公判で『日本が奪ったものを探し出したのに罪になるのか。韓国の文化財を保存しろ!』と逆に韓国政府を叱る始末でしたから」(政府機関関係者)
日本の敗戦のドサクサに紛れて、日本の神社仏閣に奉納されていた貴重な文化遺産の多くが韓国に持ち出されていたという事実がある。こうした盗品の保管先は『韓国国際平和財団』などの公益法人だが、先の窃盗団などは“リスト”に基づき、貴重な日本のレガシーを狙い撃ちしているのだ。
つまり彼らは、韓国の闇ビジネスの住人に雇われて犯行を重ねていると、この関係者は指摘する。
「韓国には、日本作家作品目録や平安時代の歌人による書のリストがあります。どれも国宝や重文クラスの物です。日本では、道端にお地蔵さんがあったり、どこにも仏像などがありますが、その由来などについてはほとんど関心がない。知的財産に対する保護という点では大きく後れを取っているのです。そこは反省すべきです」(同)
韓国文化財庁は、韓国国外に流出した文化財の総数が18カ国、10万7857点に及ぶとし、このうち日本が半数以上の6万1409点を“盗んだ”と主張している。ところが、先週号でお伝えした『脱北者少女像問題』と同じく、大国には媚びへつらう様が見て取れる。
「フランスは、韓国にとっては貴重な文化財である『外奎章閣』を所有し、ミッテラン大統領が返還を約束しながら履行を10年以上も棚上げにしたため、韓国の市民団体が返還を求めてフランスの裁判所に訴訟を提起したことがあります。これに対しフランスは『これは国有財産であり、取得の状況や条件はこの事実に影響を与えない』と、韓国の主張をバッサリ棄却したのです。この言い分に韓国は沈黙し、フランスに何の抗議もしませんでした。その後、李明博、サルコジ両大統領との間で、フランスから『貸与』という形で決着しています」(同)
今や似たような“窃盗”は、日本の宝であるブランド農産物にも及んでいる。
「栃木県が県をあげて品種改良したイチゴの『とちおとめ』が韓国から日本に逆輸入されて店頭に並び、県が文書で注意した例があるのです。農水省が専門家に委託調査させた『東アジア包括的育成者権侵害対策強化事業報告書』によると、この他にも『あまおう』や『紅ほっぺ』を栽培している韓国農家があると指摘しています」(知的所有権に詳しいジャーナリスト)
国内の研究機関が育成して品種登録されたブドウ『シャインマスカット』が、一昨年から中国で無断栽培・販売されていることも発覚した。他にも菊やバラなどの花卉類や柑橘類など、日本で育成されブランド化した品種が海外で権利侵害されている事例は続々と報告されており、まさに日本のお宝は盗まれ放題なのだ。
「日本では種苗法が『新たに植物品種を育成すれば、国に出願・登録して育成者権(知的財産権)を得て、登録後販売などを独占できる』と定めています。一方、品種登録後は海外でも登録しなければならないのです。これを農業者などに周知徹底していないことから、国際的には日本由来の種苗などが保護されない状況に陥っています。特に日本の知的財産権に対して、意図的に保護概念がない韓国に、この不備を突かれた格好です」(同)
仏像から農産物まで…、日本は、油断すれば即掠め取る連中に囲まれているのだ。