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12球団合同トライアウト 2014年 再起を目指す男たち(ネット裏情報)

 今年度の『第1回 12球団合同トライアウト』から5日後の11月14日、巨人が中日を戦力外となった吉川大幾内野手(22)の獲得を発表した。吉川は2010年、ドラフト2位で指名され、母校・PL学園の先輩が付けていた『背番号3』を継承するなど、将来を嘱望された若手の1人だった。
 吉川は若手育成の登竜門とも言うべくフェニックスリーグに参加したが、途中で強制帰還を食らった。一部報道によれば、練習態度が悪く、首脳陣の逆鱗に触れたという。名古屋の二軍施設で練習していたところを呼び出され、非情の通告を受けた。フェニックスリーグの取材で宮崎入りした取材記者によれば、「吉川解雇の一報を聞かされた中日ナインは驚いていた」そうだ。

 その吉川がドラフト候補だったころのスクラップ帳を見直してみた。
<PL学園が今季初実戦を行い、10球団のスカウトが訪れた。−省略−吉川は4打数1安打、巨人・益田明典スカウトは「足、肩、打撃がいいのは分かっている。夏まで見ていく」と目を細めていた>(10年3月15日付/日刊スポーツ)

 “4年前の恋人”が戦力外になれば、興味を持たないはずがない。
 「練習態度に問題があったとする報道が本当だとしても、解雇の理由はそれだけなのか? 何か別の理由もあるのでは…」
 そう勘繰るメディアもいないわけではないが、吉川はトライアウトを受験していない。過去、トライアウト受験を避け、解禁後の個別交渉で移籍先を決めた戦力外選手もいないわけではなかったが、その多くはベテラン選手である。今年度のトライアウトの受験者リストを見てみると、59人中19人。20代の出場機会に恵まれなかった選手が「自己アピールするチャンス」とも捉えられる。しかし、去る11日には、楽天が前西武・山崎浩司内野手(34)、前DeNA・藤江均投手(28)の獲得を発表した。事情は異なるが、同日、やはり広島が新井貴浩内野手(37)の獲得を決めた。第2回トライアウトを前に、北方悠誠投手(20=前DeNA)がソフトバンクの入団テストに招かれ、東野峻投手(28=前オリックス)のDeNA入りも決まった。また、巨人入団テストを受けていた堂上剛裕外野手(29=前中日)の“合格”も確実となった(17日時点)。東野、堂上はともかく、トライアウト未受験者の去就が先に決まるのはいかがなものだろうか。

 トライアウトが実施されたのは、01年。球界再編で揺れた04年、選手会はトライアウト前に球団が独自の入団テストを行わないよう、経営陣側と申し合わせをした。トライアウト実施後、自軍の入団テストに選手を呼び寄せるのはルール違反ではない。但し、「改めてテストしたい」とは、現行のトライアウトでは「受験選手の見極めることができない」と言っているのも同じである。戦力外通告を受けた選手(自由契約)の一本釣りは悪いことではない。むしろ、必要と判断されたのだから、選手にとっては有り難い限りである。しかし、時期を考えるべきではないだろうか。

 トライアウトの内容の見直し、個別交渉のタイミングについて、選手会と経営陣がもう一度話し合うべきである。でなければ、トライアウトは形骸化してしまうだろう。(了/スポーツライター・美山和也)

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