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“色”と“粘り気”でチェック ガンの可能性もある「鼻水」に潜む重大病(2)

 そして、鼻水の「色」「粘り気」をチェックすることも大事だという。透明でサラサラしている場合は、まだ体がウイルスや細菌と戦っていない状態で、体に侵入しようとしている異物を洗い流している段階。花粉症などのアレルギーによって出る鼻水もこのタイプと見なせるという。
 「体が戦闘モードに突入しているときは、黄色や緑色のねっとりした鼻水が出る。これは、鼻水にウイルスや細菌と戦った白血球の死骸が混ざっているためで、死骸の中に白血球のタンパク質の分解酵素が残っていると、粘膜や皮膚のタンパクが溶けて鼻の周辺がヒリヒリしてくるはずです」(久富院長)

 その場合の鼻水は、どちらも細菌やウイルスを体外に排出しようとしているので、薬などで鼻水を止めると治りが遅くなると専門医は言う。
 「人にもよりますが、鼻の内部(鼻腔)の形の悪さも影響します。副鼻腔の入り口が狭く、換気が十分行われない場合、細菌の感染によって副鼻腔に炎症を起こし、膿んでしまうことがあります。慢性的に膿が溜まるようになると、慢性副鼻腔炎(別名=蓄膿症)という病気になってしまう。こうなると、異物を排泄する役目を持つ線毛細胞が炎症によって機能しなくなり、症状が悪化します」(前出・多摩総合医療センター耳鼻咽喉科担当医)

 この担当医によると、蓄膿症になると、鼻づまりが起きて匂いもわかりづらくなり、口で呼吸するようになるという。また、常に副鼻腔内に膿があるので、濃い鼻汁が出て、それが喉にまわると、その刺激で粘膜の表面が腫れ上がり鼻ポリープが出来ることもある。さらに、根気がなくなり、頭痛、目の痛みなどを感じるといった症状が見られるようになり、最悪の場合、鼻がんに繋がることもあるという。
 治療法は、炎症を抑える薬の服用や手術によって溜まった膿や病変した粘膜を取り除くというもの。しかし、鼻腔の形が悪い場合には、根本的治療とはならずに再発の可能性もあるため、副鼻腔口を広げるなどの形成手術が必要となる。
 予防法は、鼻の粘膜を刺激するような汚れた空気を避けるなど、原因となる要素を取り除くこと。また、鼻の粘膜が敏感すぎる場合などは、専門医の診察により治療を受ける必要がある。

 2月に入ると、風邪に代わってスギ花粉の舞う季節を迎える。花粉症を発症すると、風邪によって流れる鼻水と同様に、花粉を洗い流すために鼻水の量が2、3倍に増える。それでも、実際に鼻から出てくる量としては1日に100ミリリットルほどだ。
 「どちらの鼻水の場合も、薬などで止めると、かえって治りが遅くなります。どうしても鼻水を止めなければいけない状況でないなら、しっかり鼻をかんで、鼻水を出してしまった方がいい。一番いけないのは、かまずに“ススル”こと。副鼻腔が細菌に感染して副鼻腔炎を起こしたり、細菌が中耳に侵入して膿が溜まり、耳痛を起こすケースもあります。血が混ざっている鼻水が続く場合は、この副鼻腔炎や鼻のがんの可能性もあるので、早いうちに病院で検査を受けてほしい」(前出・久富院長)

 鼻水は体調のバロメーター。鼻水をただ止めるだけでなく、鼻水の出る原因を探って治療することが大事ということだ。

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