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超変革野球で救われた阪神フロント

 『超変革』をスローガンに掲げた金本阪神は“初づくし”である。

<プロ初安打>
 高山俊 3月25日
 横田慎太郎 同26日
 岩貞祐太 4月2日
 北條史也 同3日
 陽川尚将 同15日
 原口文仁 同27日
 板山祐太郎 5月1日

<プロ初勝利>
 横山雄哉 5月4日

 初安打、初勝利を見ただけでも、若手の台頭は明らかだ。このほかにもプロ初本塁打などもあるのだが、北條の成長が興味深い。

 北條史也(21)は2012年ドラフト会議で2位指名された。同年1位は藤浪晋太郎である。2人を比べるつもりはない。しかし、北條が指名された12年オフ、阪神は西岡剛(31)を獲得している。正遊撃手・鳥谷敬(34)も健在であり、二塁手、三塁手の控え選手層にしても決して薄いわけではなかった。高校屈指の好打の遊撃手を育てる気が本当にあるのか…。坂本勇人(27=巨人)がプロ2年目の08年に開幕スタメンで起用され、チームの中核選手に成長した前例も、ファンの脳裏に過った。まして、坂本と北條は同じ光星学院高の出身である。

 ライバル球団のスカウトが「阪神全般」と前置きし、こう評していた。
 「磨けば光る原石をしっかり指名してくるチームなんです。ただ、他球団が4位以下での指名を予定していた選手を上位指名することもあるので…」
 “将来性重視”の指名方針は間違っていないが、選手の補強はドラフトだけではない。阪神がトレードを仕掛けると、相手球団から「交換要員で欲しい選手がいない」と断られることも少なくなかったという。将来性重視のドラフトを続けた代償だろう。

 一方で、こう評する声も聞かれた。
 「実は、阪神にはオフの度にトレードが殺到する控え選手がいたんです。今季プロ12年目で初の開幕マスクを任された岡崎太一ですよ。二軍暮らしが長かったとはいえ、岡崎は練習態度もマジメで、ブルペンに毎日入り、投手の練習相手も務めてきました。決して肩も弱い方ではないし、『使わないのなら』と水面下で探りを入れる球団も多かった」(在阪球団スタッフ)

 北條は入団と同時に、対鳥谷という『大きな壁』を与えられた。西岡加入により、遠回りも余儀なくされたが、30代のこの2人が故障や不振で苦しんでいる今季、その存在がクローズアップされた。レギュラーとは与えられるものではない。とはいえ、実戦に放り込んでやらなければ成長しない。金本知憲監督の超変革によって、スカウト・編成部門のスタッフも「俺たちは間違っていなかった」と安堵しているのではないだろうか。

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