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禁煙グッズ・電子タバコが大人気

 健康ブームと世界的なタバコ規制の風潮もあって、愛煙家がゆっくり紫煙をくゆらせる場所は減るばかり。そんなご時世のせいか、喫煙者の間で禁煙グッズが再び注目されている。その中でも、2007年から日本でも流通し始めた電子タバコはダントツ人気で売り切れ続出、品薄状態になっているほど。タバコが煙たがれる社会の、禁煙グッズのいまを追った。

 麻生太郎首相が“おバカ発言”を連発して支持率を急落させなければ、1箱1000円が実現していたかもしれないタバコ。警視庁の発表では、タバコの煙があれほど似合う取調室でさえも今月から試験的に禁煙化するという。
 七曲署の山さんもさぞ涙目なことだろう。街を歩けば、全面禁煙のカフェや禁煙タクシーの数は増すばかり。年間2兆3000億円ものたばこ税を納めている愛煙家たちの肩身はますます狭くなっている。
 そんな悩める愛煙家たちに朗報となるかもしれない商品が、最近よく見かけるようになってきた電子タバコだ。もともと香港の企業が開発したこの商品は、欧州ではすでに100万本を売り上げるミリオンセラーになっている。

 くわえて吸うと先端のLED(発光ダイオード)が炎のように赤く光り、息を吐けば煙まで漂う。その姿はタバコそのものだが、実はこの煙は水蒸気。ニコチンやタールを全く含まないため健康的と禁煙したい愛煙家からも好評を拍している。
 フィルター部分にカートリッジがあり、メンソールやチョコ味など多彩な風味を楽しむことができる。その他にも、副流煙が出ないので周りの人に迷惑をかけない。火を使わないので火事の心配がないなど利点は多い。

 東急ハンズ(本社・東京都渋谷区)では全店舗で電子タバコを販売している。禁煙グッズコーナーを設けている池袋店では、人気商品の1つ「ミスモ」(素数株式会社)の交換用カートリッジが品切れ状態だ。本体が1万2600円、カートリッジが1050円と決して安くないが、大半の店では入荷待ちの品薄状態になっている。
 「昔は禁煙グッズといえばパイポでしたが、今は電子タバコを前面に並べています。客層は中高年のサラリーマン。結構なお値段なのですが売れていますよ。この不況に絡めた『節約上手の100アイテム』の1つとして売り出したのも、ヒットの一因になっているかもしれません。初期費用は掛かりますが、継続して使えばタバコより経済的。タバコ代も節約したいと手に取る人が多いようです」(同店営業管理担当・木村隆利さん)
 実際に新橋のサラリーマンに試してもらった。
 「初めて手にしたが、見た目は本当にタバコにそっくりですね。吸ってみると(外国製タバコの)ガラムを薄くしたような味がします。でもニコチンがないから、ヘビースモーカーにはちょっと物足りないかな」(30代男性・不動産業)
 欧州ではニコチン入りの電子タバコが実際に販売されているが、日本では薬事法に抵触するとされて売られていない。タバコ代わりとまではいかないが、寝起きや食後の一服として少しづつ代用していくことで、禁煙の手助けには一役買うかもしれない。
 火の出ないタバコは日本に禁煙ブームの火をつけることができるだろうか。

※電子タバコの問い合わせは、「東急ハンズ池袋店」へ

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