「研究所の経過観察や集めた情報によると、同日の段階ではヒトからヒトへの感染は見られないものの、すでに3月下旬には家族内で複数の感染者が出ており、ウイルスがヒトへの適応性を高めていることは明らかだという。つまり近い将来、中国国内から加速度的に日本へ舞い込んでくる可能性もあるということです」(サイエンスライター)
中国では、すでに約90人の感染例が報告され、17人が死亡している(4月18日現在)。年齢は4歳から87歳までで、そのうち60%が家畜との接触が確認されているが、感染源は特定されていない。
東大医科学研究所の勤務経験もある世田谷井上病院理事長の井上毅一氏が、感染拡大の可能性を示唆する。
「ウイルスはヒトの喉や鼻に感染しやすく、様々な経路が考えられる。既に弱毒性が強毒性になり、ヒトからヒトへ感染するウイルスに変異している可能性もあります。また、その変異したウイルスに鶏や野鳥が感染するなど、ヒトが感染源になることも考えられるのです」
加えて井上氏が心配するのは、最近の円安により日本へ旅行に来ている中国人が増えていることだ。
「中国政府は報道管制が敷かれているため、はっきりしたことはわかりませんが、ヒト→ヒトの感染がないことも死者の数も、政府の発表は鵜呑みにはできない。中国人観光客がウイルスを日本に持ち込むのは時間の問題ですよ」
その逆に、ゴールデンウイーク中に中国へ旅行に出掛けている日本人が現地で感染し、日本国内にウイルスを持ち込むことも十分考えられるわけだ。
連休明け、日本がパニック状態に陥らないことを祈るばかりだ。