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男と女の官能事件簿 元彼との交際相手の親友を殺害したキャバクラ嬢(1)

 2005年1月、お屠蘇気分もようやく抜けた10日の朝6時頃、埼玉県入間市の住宅街で事件は起こった。市内に住む佐山涼子さん(24)が、いきなりやってきた女によって襲われ、包丁でメッタ刺しにされて殺害されたのである。

 犯人は所沢市に住む原田香里(25)。2人は友人同士で、しかも最近まで親しく付き合っていた間柄だった。
 犯人の香里は、高校を中退してほどなく家を出て、17歳くらいから一人暮らしを始めている。その原因は家族関係のようで、母親とは仲がよかったものの、酒乱ですぐ乱暴になる父親をかなり毛嫌いしていたという。家を出たのも、父親から逃げ出したいという思いがあったのかもしれない。

 香里と涼子さんが知り合ったのは、新所沢の某キャバクラであった。店の従業員として働いていた2人は、年齢がほぼ同じだったこと、住まいが近かったことなどから、すぐに親しくなった。2人そろって別のキャバクラに移籍することもあったという。そして、お互いの身の上を話したり、双方の家を行き来したりすることも多くなっていった。
 香里はアパートで一人暮らしだったが、涼子さんは両親とともに実家で暮らしていた。その涼子さんの家で、香里は何度も涼子さんの家族と一緒に食事をしたり、泊まったりということを繰り返していた。帰りが遅くなった香里を、涼子さんの父親がクルマで送ったりしたことも数え切れないという。そのように、涼子さんの家族も「娘の大事な友達」として、香里を歓迎し、もてなしていた。文字通りの家族ぐるみの付き合いだったのである。

 そんな関係が4年ほど続いていたが、双方が21歳から22歳の頃から、2人の関係がしだいにかみ合わなくなってくる。
 香里は以前に男との同棲や、また妊娠して中絶するといった、男女関係での辛い経験を持つ。そうした経緯から、22歳の時にうつやパニック障害、不眠症などに悩まされるようになり、心療内科に通うようになるまでに悪化してしまう。
 そんな香里の状態について、涼子さんは以前は親身になって相談に乗っていた。ところが、その涼子さん自身も、同じ頃に付き合っていた男性がトラブルを起こして警察に逮捕されてしまうという事件が起きる。
 こうした心身の痛みに耐えかねた2人は、つい「薬物」に頼るようになってしまった。(つづく)

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