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濃縮ウラン需要減 原発ビジネスの“アリ地獄”にもがく東芝

 原発ビジネスの“アリ地獄”に東芝がもがき出した。3月初めに濃縮ウランの大手、米ユーゼックが1070億円の負債を抱えて破綻したが、同社に優先株で38億円拠出し、債務の65%を抱える東芝は「引くに引けず、会社が唱えた『4カ月以内の再建』にすがる格好で」(関係者)新たに発行する株式の8%を引き受けて支援を継続するハメになったのだ。

 ユーゼックの破綻は福島原発事故を機に日本やドイツの原発が相次いで停止し、濃縮ウランの需要激減=価格下落に直撃されたからに他ならない。従って世界的に“脱原発”が加速すれば、4カ月以内の再建など絵に描いた餅となる。
 「東芝にとって原発は半導体と並ぶ経営の二本柱。それでなくても東芝の原発事業は米国で難題を抱えており、これでユーゼックと無理心中を強いられたら屋台骨が揺らぎかねません」(ライバル社幹部)

 東芝は'09年、米国で初の海外原発ビジネスとなる『サウステキサスプロジェクト』を受注した。原発2基の調達・建設を一括受注した大型商談である。ところが3・11を機に出資を決めていた東電が撤退、事業主体の米電力会社が追加投資を打ち切るなど、優に1兆円を超えるビッグ・プロジェクト自体が「難破船寸前」(関係者)だ。そこへ今度はユーゼックの追い打ちである。東芝首脳ならずともショックを受けないわけがない。
 「国内の原発事業に期待できない東芝は今年1月、米子会社ウェスティングハウスを通じて英国の原発会社を買収し、3基の原発を建設する計画でした。受注額は1兆5000億円に上ります。ところが買収した英国の原発は加圧水型で、東芝の沸騰水型ではありません。『やはり米国は鬼門だ』と、東芝の原発部隊はしらけていますよ」(経済記者)

 ユーゼック破綻への対応を含め、東芝が繰り出す“原発生き残り策”が不気味さを増してくる。

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