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政府の対応次第で原発事故は未然に防げた?

 東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所の3号機と4号機の使用済み燃料を保管したプールが冷却できず、このままの状態だと放射性物質漏れの可能性が指摘されている問題で、政府の対策本部は、自衛隊と警察に冷却作業を行うように要請。17日午前、自衛隊が上空のヘリコプターによる水の投下を行い、昼ごろからは警視庁の機動隊の高圧放水車による地上からの放水も行われる見込みだ。

 「3号機では、使用済み燃料を保管しているプールが冷却できない状態になり、水が蒸発しているとみられている。4号機は16日までに火災が相次いで発生し、核燃料を入れていた保管用のプールの温度が上がっていることが発覚。なんとか、“最悪の事態”だけは避けてほしい」(震災を取材している記者)

 今回、ここまで危険な事態に発展してしまった原因は原発の冷却水の確保の不備によるものだが、実はこの問題、06年の時点で指摘され、警鐘を鳴らされていたというのだ。

 「原発のプロを養成すると言っても過言ではない京都大学工学部原子核工学科卒業の共産党・吉井英勝衆議院議員は06年国会質問で原発の津波対策の不備を指摘。専門的知識を交え、5メートルの津波に日本の原発の約8割の原発で、冷却水が海から取水できなくなることを明らかにし、また、いくつかの原発では、取水不能になるうえ貯水槽もないことも明らかにした」

 吉井氏が質問した当時の首相は小泉純一郎氏で自民党政権。この時点で対策を練っていれば今回のような事態を未然に防げた可能性もあるが、「当時の二階俊博経産相は事態を重く受け止め、吉井議員に対策を約束したというが、野党でしかも議員が少数の共産党議員意見であまり重く受け止めていなかったのだろう。小泉氏の後、首相がコロコロ変わったうえに、政権も自民党から民主党に交代。対策について引き継がれないまま今回の震災が発生してしまった」(政治部記者)

 政府は吉井氏の意見を真摯に受け止め対策しておくべきだった。

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