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王と長嶋〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者(1)「好対照見せる2人のリーダーシップ」

 北京五輪、星野ジャパンの惨敗で威信低下した日本プロ野球界の再生なるか。

 コミッショナー特別顧問で、侍ジャパンの原辰徳監督を後方支援する、王貞治日本代表監督相談役の手腕にかかる期待は計り知れない。ソフトバンクでも球団会長という要職を務めている。いまだに球界に隠然たる影響力を持つ巨人・渡辺恒雄球団会長と並ぶ最高ポストだ。
 巨人入団以来、球界ナンバーワンの座はミスター巨人・長嶋茂雄終身名誉監督が保持。追いつき追い越せを目標に野球人生を送ってきた王さんがついに長嶋さんと肩を並べたともいえる。ユニホームから背広に変わっても、互いに独自のスタイルを貫く永遠のライバルON物語に終わりはない。
 日本プロ野球界の不滅のリーダーとして、国民的な関心事の3月5日から始まる第2回WBCでも、カリスマの元日本代表監督として圧倒的な存在感を示している。
 連日、4万人の大観衆を集めた日本代表候補選手の宮崎合宿。マリナーズ・イチロー、レッドソックス・松坂という日本人メジャーリーガーのスーパースターコンビが集客の目玉だった。中でもイチロージャパンともいわれる最大の主役イチローでさえ、永遠のスーパースターONの前には脱帽だった。しかも、王流、長嶋流のスタンスが鮮明に現れた激励ぶりが目を引いた。

 宮崎集合日の2月15日夜のミーティングに参加した王特別顧問は、「久々に彼のプレーを見られる。今回もチームを引っ張ってくれると思う」と報道陣を通じてイチローにゲキ。翌日の合宿初日はコミッショナー特別顧問として、常に加藤コミッショナーにピタリと寄り添う。一塁側ベンチに座り、ウオーミングアップを見つめ、ブルペンでは松坂、ダルビッシュらの投球を見守り、打撃ケージ後方ではイチローらのバッティングを見つめた。
 「宮崎合宿? コミッショナーが一緒に行こうといえば行きます」と明言していた通り、あくまで加藤コミッショナーのサポート役、黒子に徹していた。夜はひそかに原監督、コーチ陣と会食している。「日本代表監督を決めるまでがオレの仕事だ。後は原監督が好きなようにやればいい」と、あくまで後方支援のスタンスを崩さない。

 対照的なのが長嶋さんだ。前日、73歳の誕生日を迎えたばかりの長嶋さんは、巨人との練習試合が行われた21日に日本代表を激励した。原監督と共にグランドに現れると、4万人を超えるスタンドから「長嶋さん!」の大合唱が起こる。
 笑顔で応じる長嶋さんの元にアップ中だった選手たちが集まってくる。そこですかさず「世界で大暴れしろ」とナインにカツ。イチローも「頑張ってやってくれ。やれ! って言ってましたね」と長嶋魂を注入されたことを笑顔で披露した。
 「長嶋はひまわりや。ワシは月見草やな」とは、ONを終生ライバル視する楽天・野村克也監督の弁だが、まさに長嶋スタイルを言い当てている。表舞台で劇的に登場して、カリスマ的リーダーシップを発揮する。

 逆に王スタイルは自分を必要以上に目立たせないように気を配り、周囲との調和を最優先する。ソフトバンク球団会長でありながら、コミッショナー特別顧問、日本代表相談役という現在の複数のポストも王さんならではのものだ。ONのリーダーシップは見事なくらい両極端なスタンスで発揮されている。

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