株式会社ビデオリサーチ(東京・千代田区)は首都圏、関西圏、中京圏の3地区において、それぞれ自主ラジオ個人聴取率調査を実施している。年6回偶数月に行っている首都圏ラジオ調査によると、6月度調査が前回4月度の5.7%から0.3ポイントアップして6.0%になった。またラジオ接触者1人1日当たりの聴取時間量も、30分程度の増加傾向にあるそうだ。
「聴取率はテレビの視聴率と似たようなものですが、視聴率が機械を使った世帯調査であるのとは違い、聴取率は個々人にどの時間帯にどの局を聞いたかアンケートを取る、いわゆる“個人調査”です。数字は状況を反映できていると言えるでしょう」(業界紙記者)
ところが、ラジオが売れているというデータはない。では、イヤホンは何につながっているのか。
「スマホやPC、つまりインターネット経由でのラジオ聴取が増えているのです。特に10代に多く、20〜40代もカーラジオに次いでネット経由での聴取が多い。仲介しているのは株式会社radiko(東京・港区)が提供しているサービス『radiko.jp』です」(同)
各放送局は同じ時間帯に同じ番組を、異なるチャンネル(周波数)で放送している。地上デジタル、衛星、ワンセグ、そしてインターネットなどだ。radiko.jpはPCやスマホがそのままラジオ受信機となる配信サービスで、例えば東京在住の中日ファンが中京地区のラジオ中継で試合を聴くことができる。当然出身地の懐かしい方言も聴ける。
「同社は昨年4月に有料サービスを始めましたが、加入理由の1位は居住地域以外のタレントやアイドルの出演番組が聴けるというものでした」(同)
ネットラジオの勢いが今後さらに増しそうだ。