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特選映画情報『ラスト・クリスマス』〜金髪ヒロイン刹那的“行きずりセックス”の後に奇跡が!

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提供:週刊実話

配給/パルコ TOHOシネマズシャンテほかにて公開
監督/ポール・フェイグ
出演/エミリア・クラーク、ヘンリー・ゴールディングほか

 このところ、ちょっとセクシーなコメディエンヌが海の向こうでも不足しているようだ。これは多分、キャメロン・ディアスの実質的引退が影響しているのだろう。そんなコメディエンヌ“冬の時代”の今冬にコツ然と現れたのが、このエミリア・クラーク! キュートでぽよよん、おバカもやる、という定義にピッタンコ。しっかりパツキンだしね。

 ロンドンのクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)は仕事に身が入らず、一夜限りの“行きずりセックス”を繰り返す刹那的生活を過ごしていた。そんな彼女の前に、いかにも好青年風のトム(ヘンリー・ゴールディング)が現れ、彼女の悩みを察知してくれる頼もしい存在に。当然、恋心は募るのだが、彼の正体は常に謎めいており、なかなか進展しない…。

 エミリアが、緑のエルフ(小妖精)の扮装で店内をチョコマカ、店の女性オーナー(何とアクション女優のミシェル・ヨー。意外な配役だ)に怒鳴られっぱなしのポンコツ・ヒロインを見事に演じている。無防備な百万ドルの笑顔、八の字眉に垂れ目、眉間の三本皺だってステキ。胸もお尻も実に肉感的だしね。日本でいえば、広瀬アリスのセンか。行きずりのオトコとすぐ寝ちゃう悪い癖とかの奔放ぶりは“キャメロン・ディアス二世”の資格十分。ベッドでは、そのむちむちボディーが眩い。あと少し脱いでくれればなおヨシ。

 この突然現れた謎めいた好青年の正体は? ヒロインの秘められた過去とは? とミステリー要素アリで、最終的にはファンタジー要素も含めたお約束の“クリスマスの奇跡”へとなだれ込む、という寸法だ。ネタバレ厳禁がルールなので、詳しくは言えないが、ヒントは、彼女の胸の谷間にある傷痕…とだけ言っておこう。

 一見、軽いラブ・コメに見えて、実は移民問題、貧困問題、家族問題も内包した“社会派”の一面もある。ヒロインは辛酸をなめたユーゴ難民という異色さで、本名はカタリナだが、それを嫌い、ケイトという英語名にこだわっているのもポイント。そのパツキンも何だか染めている風なのも意味あり気。「しっかり生きよう、助け合おう」というまっとうなメッセージも、エミリア・クラークのぽよよんな笑顔のおかげでスンナリと伝わってくる。名前がいいや。何せ“笑みリア・蔵〜ク”って、縁起良さそうだし。師走の夢にふさわしい好編ではないか。
 《映画評論家・秋本鉄次》

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