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“働き方改革”で注目度増す「ブラック企業大賞」の行方

 安倍政権が声高に推進する「働き方改革」。昨年、電通過労死事件が明るみになって以降は、長時間労働に対する企業の取り組み方にも注目が集まっている。

 そんな中、今年も『ブラック企業大賞』のノミネート会社が11月27日に発表された。主催のブラック企業大賞実行委員会は、誰もが安心して働ける環境作りを目指し、劣悪な労働環境にある企業を名指しで公表している。同委員会が挙げた9社を順に記すと――『ゼリア新薬工業』、『いなげや』、『パナソニック』、『新潟市民病院』、『日本放送協会(NHK)』、『引越社・引越社関東・引越社関西(アリさんマークの引越社)』、『大成建設・三信建設工業』、『大和ハウス工業』、『ヤマト運輸』――。今年も知名度の高い企業ばかりだ。
 「いずれも、過労死者が出たり、労基から是正勧告を受けても改善されなかったり、労使協定以上の残業をさせていたことが明らかになったり…。紛れもなく社員を酷使していた企業たちです」(経済記者)

 しかし、ノミネートされたこれら以外にも“ブラック”と呼ばれる企業は日本中に数多く存在している。
 「日本はいまだに労働者=使用人、仕事ができる人=自我を犠牲にして会社に尽くす、といった古い価値観がまん延しており、知らず知らずのうちに企業をブラック化する要素で埋め尽くされています」(企業コンサルタント会社役員)
 さらに“下手な経営者の根性論的な経営”や“コストカットが正義”などのノウハウ本が、間違ったマネジメントをする管理職増殖の要因とも付け加えた。

 辛抱強いといわれる日本人。しかし、その辛抱強さにつけ込み、労働力を酷使する経営者は後を絶たない。
 「ブラック企業をこれ以上増やさないためには、行政だけではなく、ブラック企業のサービスを利用しないなど個々人が意識を高め、社会全体としてブラック企業にペナルティーを与える機運が必要です」(有識者)

 ブラック企業大賞への投票はウェブを通じて12月22日まで可能だ。あなたの1票が、よりよい社会へと導く力となるかもしれない。

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