search
とじる
トップ > 社会 > 東京湾“イワシの内臓”が警告する環境ホルモンと精子激減の関連性

東京湾“イワシの内臓”が警告する環境ホルモンと精子激減の関連性

 「海は、捨てられたプラスチックの袋小路」と表現する研究者もいるほど日本の海が危ない。

 先頃、ゴミとして海に浮遊する5ミリ以下の大きさの微細なプラスチックが、東京湾のカタクチイワシの8割近くの内臓から検出された、と東京農工大の高田秀重教授らのチームが発表したが、これが人体に思わぬ影響を与える可能性があるという。
 「高田教授は、この『マイクロプラスチック』という微細プラスチックは、人が食べても排出されるため直接的な影響はないとしている。しかし、東京湾の魚は日常的にプラスチックを食べていると見られ、長期的に見ると悪影響を及ぼすとの見方もあります」(健康ライター)

 世界の海には5兆個の『マイクロプラスチック』が漂っていると言われているが、日本近海は特に汚染がひどい、との研究結果もあるという。問題は、プラスチックに付着した有害化学物質が人体に蓄積する恐れがあることだ。
 ちなみに「マイクロ」というのは「100万分の1」を意味する言葉で、1マイクロ・メートルといえば100万分の1メートル、すなわち1000分の1ミリ・メートルのこと。

 『ホスメック・クリニック』院長の三好基晴氏が言う。
 「このプラスチックは、有害な化学物質を吸着しやすい性質があるのです。プラスチックを通じ海鳥などが体内に化学物質を取り込むわけですが、それらの中には、現在では使われなくなったPCB(ポリ塩化ビフェニル)や農薬のDDTなども含まれているのです」

 しかも、これらPCBやDDT、さらにダイオキシンなど、環境の中にあって生物本来のホルモン作用を攪乱する環境ホルモンには、人間の精子を減らす働きがあるのだ。
 「50年前、1ミリリットルあたり約1億1300万個だった人間の精子が、現在は4000〜5000万個にまで減少したという研究もある。環境ホルモンは体内において抗テストステロン作用を引き起こし、男性の生殖器能や性衝動を引き起こす作用さえ抑制する。早い話、草食系男子が増えたのは、これが原因とも言えるのです。しかも、環境ホルモンは体内で活性酸素を増やし、精子の主成分であるたんぱく質や卵子との結合に必要な酵素にも大きなダメージを与えることも分かっている。このままでは、人類が滅んでしまうとさえ言う研究者もいるほどです」(前出・健康ライター)

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ