ここ数年、USJは、新アトラクションや家族向けの新エリアのヒット、中国や韓国を中心とする外国人団体客の増加もあり入場者数が増加。'13年度はついに開業以来の1000万人を突破した。今秋には約450億円を投入するという『ハリー・ポッター』エリアを新設するなど、前向きの話題に事欠かない。
「強気ともいえる今回の値上げも、この流れに沿ったものといえます。ただ、USJは値上げの理由に関して『新アトラクションへの投資の関係』と説明していますが、背景に右肩上がりの入場者増があることは間違いない」(経済誌記者)
しかし、この入場者増こそが“落とし穴”となる可能性を孕んでいるという。
「USJを支えているのは、特別年間パスの利用者と言っても過言ではない。3回行けば元がとれる安さがウケて、大阪市内を中心に利用者を増やしてきたのです。新アトラクションを全面に押し出して新年間パスのPRに懸命のUSJですが、問題は今までの利用者がついてくるかどうかです」(在阪レジャー誌記者)
地元に住む利用客はこう話す。
「1万5000円で何回も来られるのなら(USJを)遊び場代わりに使えるからええなと思ってたけど、2万円は高い。今年はハリーポッターを見に一、二度行ったらええかなという感じです」
ただし、これまでの特別価格が破格に近いものだったことは確かだ。元USJの関係者が内情を語る。
「格安年間パスは、そもそも'02年の火薬不正使用、賞味期限切れの食材使用など、立て続けに起きた不祥事へのお詫びと、USJビギナーへのお試し料金として、'03年から期間限定の予定で設定されたものですが、好評なので定着してしまった。それを消費増税と新アトラクション導入のタイミングで、値上げしておこうということでしょう」
今後の集客に影響出るか。