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巨人・長野の新人王で立証されるセのレベルの低さ

 リーグ4連覇は危うくなっている巨人だが、新人王のV3は確定的だ。一昨年の山口鉄也投手、昨年の松本哲也外野手に続き、長野久義(25=ホンダ)外野手が新人王レースを独走しているからだ。が、手放しでは喜べない裏事情もある。

 日大卒業時は日本ハムが指名したが、意中の巨人でないことから入団を拒否。社会人のホンダに進んでからの08年、今度はロッテから指名されたが、「巨人でプレーしたいという初心をあくまで貫きたい」という長野の最終決断で入団を拒否している。そこで、巨人・清武代表が「そこまで言ってくれている選手を取らないわけにはいかない。ドラフト1位で指名する」と公言して、昨年のドラフト1位で指名、入団した経緯がある。
 3度目の正直で相思相愛の巨人に入団して新人王獲得となれば、最高の結果で万々歳。美談話になるだろう。「巨人がダメになったのは、お金で選手を取るようになったからだ。由伸(高橋)がヤクルト、二岡は広島へ行きたがっていたのに、巨人が大金を積んで逆指名させた。だから2人には巨人命の気持ちがないので、いやいやプレーしているように見える。なにがなんでも巨人に入りたいという選手を取ることが一番重要だ」。こう言っていた巨人OBがいるが、長野を見るとその通りの結果になっている。
 が、長野が新人王を獲得すると、いいことばかりではない。1位から6位までパ球団が独占した今年の交流戦で『パ高セ低』という実力格差の現実が明らかになったように、長野の新人王獲得で「やはりセ・リーグのレベルは低い」という事実が、改めてクローズアップされてくるからだ。

 「長野にセ・リーグの投手が打たれるのは、明白な理由がある。内角が弱いからあれだけホームベースから離れて立っているのに、届かないと思っているのか、長野の得意の外角ばかり投げている。あれでは打たれる。弱点の内角へ厳しい攻めを徹底すれば、簡単に打ち取れるのにね。セ・リーグの投手のレベルが低いから、わかっていても投げられないのなら仕方ないけど…」。
 こう一刀両断したのは、かつてパ・リーグのエースだった球界OBだ。お説ごもっともで反論できないだろう。というのは、長野はパ・リーグとの交流戦では全く打てなかったからだ。とくに長野に入団拒否された日本ハムとロッテはグラウンドでリベンジ。長野を手玉に取った。実は、セ・リーグでもリーグナンバーワン投手陣を擁する中日だけは長野を封じ込んでいる、
 「キャンプの時点で、谷繁が長野を徹底解剖。弱点を突いた攻め方を投手陣に教え込んでいたからね」と関係者が証言する。12球団一のリードのうまさを誇る捕手・谷繁とリーグ1位の投手陣が合体した中日が、パ6球団並みに長野を抑え込んだのは当然か。
 「パとセの実力格差まで知っていて、長野は巨人入りにこだわったわけではないだろうが、長野自身からすれば、日本ハム、ロッテとパの球団への入団を断ったのは、大正解になる。強運と言えるだろう。ただし2年目のジンクスという言葉があるように、来年になれば、いくらなんでもセ5球団の投手も、もっと警戒して厳しい攻めをしてくるだろうから、長野の真価が問われるのは、来年だろう」。
 巨人OBはこう言い切る。同時に、投壊でリーグ4連覇大ピンチの巨人を見て今さらながらだが、こう悔やむ。「巨人以外を2度も拒否した長野はドラフト2位で取れたのだから、1位は即戦力の投手を取っておけばよかったのに」と。

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