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アニメファンの新しい楽しみ方「聖地巡礼」

 最近、実際に国内に存在する町の建物や風景を取り入れアニメを制作することが多くなっている。それらの作品の舞台をアニメファンが実際に訪れる「聖地巡礼」という言葉が頻繁に使われ始め、その経済効果は年々高くなっている。現在では地方自治体がアニメの放送と連動して町おこしイベントを行うことも珍しくなくなっているが、そんなご聖地巡礼アニメのなかで、成功したといわれるアニメはどんなものがあるのかを紹介したい。

●「おねがいティーチャー」
 2002年に放送された本作の舞台は長野県大町市にある木崎湖で、放送から10年以上経過した現在でも、訪れるファンが後を絶たないという。今でも同作品のイラストが描かれた地酒を通販や木崎湖キャンプ場で購入することが可能で、都内の地酒イベントなどに登場することもある。現地の人は大規模に町おこし活動をしているわけではなく、「聞いたら答えてくれる絶妙な距離感がいい」との話もあるとか。

●「花咲くいろは」
 舞台は石川県金沢市の湯涌温泉街で、作中で行われた湯涌ぼんぼり祭りを同地の観光協会が実際に再現。放送終了直後2011年10月に行われた第1回では5000人、2012年の第2回には7000人の来場者があった。今年の10月12日には第3回目が行われる予定。ちなみに祭り当日は、一泊宿泊すれば、時間的に金沢全体も散策することもできるので、おススメだ。

●「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」
 2011年4月から6月まで放送されてアニメで、舞台は埼玉県秩父市。現在、全国の映画館で『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が放映中で、秩父市では限定グッズ販売などの各種イベントを行っている。2011年の7月には、みやのかわ商店街のナイトバザールで、作中で女装したキャラクター、ゆきあつのコスプレをした集団が練り歩き話題になった。

●「らき☆すた」
 作中で登場する双子のキャラクター、柊姉妹の自宅とされていた埼玉県鷲宮町(現在は久喜市)の鷲宮神社を中心に、放送が開始された2007年4月から同地を訪れるファンが激増。約3年間で20億円を超える経済効果をもたらし、聖地巡礼という言葉を定着化されるきっかけとなったアニメのひとつといわれている。現在では鷲宮神社で初詣をすることが同作のファンの間では常識となっており、コミケ3日目終了後のアニメオタクの初詣といえば秋葉原電気街近くの神田明神か、埼玉の鷲宮神社といわれるほど。「6年も続いているのに驚き」、「あと30年もしたら高齢者のオタが出てくるな」などの意見があった。

 2012年には『ガールズ&パンツァー』の舞台となった茨城県大洗市が新たに聖地巡礼の地として話題になっており、これからも聖地巡礼アニメは増えることが予想される。しかしこのアニメでの町おこし、成功例は決して多いとはいえず、たとえ成功したとしても『おねがいティーチャー』や『らき☆すた』のように長期的に聖地巡礼に訪れる人がいる作品はごく一部でしかない。「当てるのも難しいが、当たったら今度は引き際が難しい」、「派手にやればやるほど引っ張るほどその反動やダメージがでかそう」などの意見もネットではあり、「バブルみたいなもの」と冷静に見ている人も多いようだった。(斎藤雅道)

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