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雑草の中にも光を浴びて輝くものがある! 夢名塾(むめいじゅく)プロレスリングの『夢闘派宣言』(ぶとうはせんげん)

 『ミクロの世界に、在京インディー界の希望を見た!! 』

 新日本プロレスのG1クライマックス決勝が両国国技館で行われた8月15日。
 30人程度の観客動員にしかならなかったが、埼玉県越谷市は大袋にあるケルベロス道場という場所でも、プロレスを愛し、培った技術を対戦相手に、そして観客に魅せようと、熱い思いを持った8人の戦士たちが集ったのだ。
 夢名塾プロレスリング。この記事を見た方のほとんどが「そんな団体があるの?」と、今まで存在すら知らなかったであろう小さな団体が、ミクロの世界でありながら活動を続けている。現在では忘れ去られてしまっているかもしれない「プロフェッショナルによるレスリングとは、いったい何か」を観客に、そして自らに問いただしながら。

 そんな夢名塾が、「インディー界にも同じ志を持ちながらも、なかなか世間では名の知られていない若手選手を発掘し、世に知らしめたい」という思いから始めた、この『夢闘派宣言』という大会。
 プロレスの試合を行うためには絶対必要とされている四方のコーナー、三本のロープは備えつけられていない。ロープワークやコーナーからの攻撃を取り払い、定められた空間の中で、己のレスリング技術のみで勝負する。
 台風も去った8月15日、猛暑が戻ってきた真夏の大袋で、2度目の大会が行われた。
 一瞬の輝きだった。

 当日のセミファイナル、5分5ラウンド制で行われた、夢名塾のエース渡辺宏志(わたなべひろし)と666(トリプルシックス)所属の若手レスラーである山田太郎(やまだたろう)の一戦。
 第3ラウンド、勝負を賭けた山田は、ゴングが鳴らされるや否や渡辺に突進、凄まじい勢いのランニング・エルボーパッドを叩き付けた。その威力は観客からざわめきが起こったほど凄まじいものだった。
 直後に放った飛びつき式のフランケンシュタイナー。それはまさに、夜空を横切る一瞬の流星の輝き。
 カウント2で何とか跳ね返した渡辺は、あたかも山田に対して最高の賛辞を告げるかのように、滅多に出さない必殺技であるニューオクトパスホールド(変形卍固め)を繰り出して仕留めた。

 第1試合では、渡辺の2人目の弟子である堀口祐介(ほりぐちゆうすけ)が、ガッツワールドプロレスリング所属の吉野達彦(よしのたつひこ)と対戦。
 第1ラウンド、堀口の繰り出すグラウンド技は、吉野に何度も苦痛の声を上げさせる。だが吉野にもガッツワールド次期エース候補としての意地がある。堀口のグラウンドに耐え、自分のペースを取り戻すと、最後は自分の最高の必殺技であるアスリートジャーマンを繰り出して勝利した。

 メインイベントでは、もう一人の渡辺の弟子である長屋亮治(ながやりょうじ)が、格闘探偵団バトラーツで異彩の輝きを見せる竹嶋健史(たけしまけんじ)と対戦。竹嶋のセコンドには、2月に同所で行われた大会で長屋と熱い対戦を行った同じくバトラーツの矢野啓太(やのけいた)が就く。
 キャリアこそ竹嶋に勝っているものの、長屋は焦りからか技を空振りすることが多い。何度も己に言い聞かせるが如く「クソッ!」と悔しさを表に出す。
 そんな長屋を前に、竹嶋は終始余裕を持ったファイト。先輩である矢野のアドバイスを受けて安心して闘うことができたのであろう。結果こそ5分5ラウンドをフルに闘い切って引き分けに終わったが、判定があれば、誰の目から見ても竹嶋の勝利になっていただろう。

 竹嶋健史、山田太郎、吉野達彦。そして長屋亮治、堀口祐介。
 彼らは、まだプロレス界において名も知られていないインディーの若手に過ぎないだろう。だが、そんな彼らの輝く場所が、ここにあった。
 プロレスの流れを止めてはいけない、新しい世代に受け継がれていかなくてはいけない。
 熱い思いを持った若い戦士たちが、まだ全国に星の数ほど活躍しているはずだ。
 夢闘派宣言はそんな若い戦士たちを求めて、今後も続けられていく。

(OFFICE S.A.D. 果野厳(はたしの・いわお))


◆夢名塾プロレスリング 第2回『夢闘派宣言』
2010年8月15日(日)
会場:埼玉・大袋「ケルベロス道場」(観客30人)

<メインイベント 5分5R制>
△長屋亮治【夢名塾プロレスリング】(時間切れ引き分け)△竹嶋健史【格闘探偵団バトラーツ】

<セミファイナル 5分5R制>
○渡辺宏志【夢名塾プロレスリング】(3R 1分11秒 ニュー・オクトパス・ホールド)●山田太郎【666】

<第2試合 5分4R制>
○磯英弥【NCL】(4R 0分18秒 KO勝ち)●レオナルド高津【ガッツワールド】※右脚へのローキック

<第1試合 5分3R制>
○吉野達彦【ガッツワールド】(2R 4分10秒 アスリートジャーマン)●堀口祐介【夢名塾プロレスリング】

◆夢名塾プロレスリング 第3回『夢闘派宣言』
2010年9月20日(月・祝)開場:12:30/開始:13:00
会場:埼玉・大袋「ケルベロス道場」(東武伊勢崎線「大袋」駅下車徒歩5分)

【入場料金】
前売・当日共に2000円(事前購入の方には特典DVDを差し上げます)

【決定済みカード】
長屋亮治【夢名塾プロレスリング】vs.神威【FREEDOMS】
矢野啓太【格闘探偵団バトラーツ】vs.山田太郎【666】
渡辺宏志【夢名塾プロレスリング】vs.堀口祐介【夢名塾プロレスリング】
他1試合、全4試合を予定

お問い合わせは夢名塾プロレスリング(mumeijuku-pw@ezweb.ne.jp)まで

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