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ブシロードが「女子プロレス」に目をつけた理由

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スターダム・ロッシー小川EP、木谷高明オーナー、原田克彦社長

 昨年12月1日にブシロードグループ傘下の株式会社ブシロードファイトが、女子プロレス団体を運営していた株式会社スターダムから、事業譲渡契約を締結したニュースは業界に激震が走った。

 ブシロードグループは2012年に新日本プロレスを買収し、経営難だった同団体をV字回復させたのは周知のとおり。2016年には新会社キックスロード(現ブシロードファイト)を設立し、キックボクシングKNOCK OUTの運営にも乗り出している。しかし、キックボクシング事業は月1回以上は興行を打てないというプロレスにはない悩みが発生。那須川天心というキラーコンテンツが参戦しない大会は動員に苦戦した。木谷高明オーナーは「キックをやらない時期にそのスタッフを生かすにはどうすれば良いか?」といろいろな観点から考えた結果、女子プロレスに目をつけたのだ。

 「ウチ(ブシロード)のファンにも導入しやすいんじゃないだろうか?」

 発表会見では、ブシロードグループとスターダムのコラボ企画が少し発表されたが、これらの評判が高ければ若いファンを会場に呼び込むことが出来るというのが、ブシロード側の狙いである。今回の発表会見で、選手たちからは「希望」に満ちた表情が溢れていた。それはその後の選手たちによる積極的な発信に現れており、KNOCK OUTのリングに激励の花束を持ってきた岩谷麻優と中野たむは、靴を脱いでリングに上がっている。

 「世界的にプロレスのみならず格闘技団体、他のスポーツも含めて、女子というのが非常に大きな位置を占めている。海外ですと『なぜ女子の試合が1試合も入っていないのか』と世の中の流れで言われてることもあり、『何もやらないでいいのか』とずっと思っておりました。ライブエンターテインメント部門というのは、ブシロードグループの中でも非常に重要な部門になっていますので、スターダムもその一員となってより大きくライブエンターテイメントというものをもっと世の中に発信していきたい。20代30代、場合によっては10代の人も来てほしい。女性には全年齢来てほしいですね。売上2億程度ですが2年で3倍の6億にしたい」

 木谷オーナーのスターダムへの期待値はかなり高い。4.29東京・大田区総合体育館で開催されるビッグマッチ『東京シンデレラ2020』は、新日本の買収時やKNOCK OUTを旗揚げした時と同じく、グループ全体で成功に向けて盛り上げていくという。女子の他団体もかなり刺激を受けているようで、動員に苦戦が続いている女子プロレスというジャンルに再び光を当てたブシロードの存在は大きい。男子団体もようやく全日本プロレスやプロレスリング・ノアが活気付いてきただけに、まずはスターダムが大成功を収めることにより、業界全体の底上げに期待したい。

(どら増田)

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