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捕手不在! 西武ベンチに交錯したドラフト裏事情

 不思議な巡り合わせである。埼玉西武ライオンズがベンチ登録して捕手を使い切り、外野手に臨時マスクを被らせた(5月10日/対東北楽天ゴールデンイーグルス)。ドタバタ劇が起きたのは8回裏一死の場面、三塁走者がタッチアップで本塁に突入。セーフのコールに西武・星孝典捕手(30)が怒って主審に詰め寄り、退場処分に下された。この時点で、西武ベンチには『登録捕手』が1人もいなくなった。スタメンマスクの炭谷銀次郎(24)、同日は指名打者で出場していた上本達之(31)はすでに交代しており、昨季まで捕手登録だった外野手・米野智人(30)もベンチに下がった後だった。緊急マスクを被ったのは、“外野手”の星秀和(25)だった。

 炭谷、星秀和、星孝典が同じ日にマスクを被るとは−−。
 星秀和が『元捕手』なのは有名だが、野手にコンバートされたのは炭谷のためだった。前橋工時代の星秀和は強肩捕手として名を馳せ、俊足、かつ「1番タイプ」のシュアなバッティングで高校野球フリークを唸らせていた。04年ドラフトで西武に指名されたが、プロ1年目のオフに野手転向を告げられた。それは俊足と打撃センスを生かしてのコンバートではなかった。「10年に1人の逸材」と称された平安高校の炭谷をドラフト1位したからである(05年高校生ドラフト)。「炭谷と競争させるべきではない」というのが、当時の西武首脳陣の判断だった。
 星孝典は東北学院大学を経て、読売ジャイアンツに6位指名された(04年)。昨季途中、ライオンズに移籍してきた。星孝典も『大学屈指の強肩捕手』と称されていたが、巨人スカウト陣の評価は真っ二つに別れた。ともに譲らず、別の地区担当スカウトとメディア出身の球界要人に判断を仰ぐことにした。そのとき、野球界の要人は「それよりも、前橋工の星の方が良いと思う」と進言している。巨人は迷った。巨人が星孝典を選択した理由の1つに、「2学年下の岸孝之投手のスカウティングを優位に進めたかった」という政治的策略もあったらしい。

 彼らは今、同じ西武のユニフォームを着ている。炭谷はもちろんだが、星秀和も星孝典もライオンズに欠かせない戦力となりつつある。その3人が同じ日にマスクを被る試合が実現するとは…。当時を知る関係者たちには感慨深いものがあったそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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