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オトナの都合も飛び交う!? 前代未聞「不祥事で高野連退会」の裏事情

 前代未聞の「不祥事による脱退」である。出雲北陵高校(島根県)が10月3日付で島根県高野連から脱退した(6日/日本学生野球協会・審査室会議)。しかし、この脱退劇には“ウラ”がありそうだ−−。

 今年5月、同校で野球部内暴力が発覚した。県高野連にも報告され、「3カ月間の対外試合禁止」の処分が下された(6月)。これを受け、同校は改めて高野連に頭を下げた。6月から向こう3カ月間も対外試合が禁止されれば、夏の甲子園大会予選にも出場できなくなる。県高野連は同校の猛省の言葉を受け、「島根県大会・開幕前日の7月14日までは」と対外試合禁止の期間を大幅に縮めたが、「暴力行為を働いた上級生数人は出場登録から外すこと」なる条件も伝えた。

 ところが、である。同校はその暴力行為を働いた上級生をベンチ入りさせ、試合にも出場させていたのだ。この事実を知った高野連側は「指導に従わないなんて!」と激昂。出雲北陵高校は罪の大きさを認識し、『脱退』を申し出たのである。
 「少子化の時代ですから、部員数が減って野球部を存続できなくなって高野連を脱退した学校はいくつかあります。不祥事による脱退? 81年末に日田林工(大分)と、特待生問題で騒ぎになった専大北上(岩手)が不祥事で脱退しています。でも、両校とも野球部を解散させたうえでの脱退でした。その後、同好会として再スタートを切り、反省と努力が認められ、再加盟しています」(協会関係者)

 この会見からしても、不可解な点はいくつか見られた。
 「対象部員がベンチ入りメンバーに登録されていたのを見抜けなかったのは、島根県高野連のミスです。『対外試合禁止3カ月』の処分を軽減してもらった際、『対象部員は外せ』と言い渡されたのに、出雲北陵高は登録しています。確信犯と言われても釈明できないはずです」(地元関係者)
 事実を知った際、高野連は物凄い剣幕で怒っていたという。高野連の役員幹部にすれば、「指導に従わなかった」ことは「ナメられた」も同然。「除名処分だけでは済まないかも…」と、ちょっと大げさな言い方をする関係者、取材陣もいたくらいだ。しかし、6日の会見では、一転して同校に温情すら見せていた。
 「加盟をしばらく外れるという感じで…。新しい野球部を作り直すというか」(事務局長)
 再加盟にも含みを持たせた言い方だった。

 また、出雲北陵高校側も同日、報道各社に改めて謝罪の意を伝えている。脱退を決めた理由について聞かれると、「反省するために」と答えたそうだ。脱退そのものが反省にはならないのだが…。
 理解しがたい言動はほかにもあった。「指導を受けていたのに、当該部員をベンチ入りさせた理由は?」と聞かれ、同校は「保護者の意向」と答えている。
 「野球部員を保護する」ため、暴力行為の詳細は明らかにされていない。その言葉の意味通り、今回の事件が一方的な暴力であったとしたら、加害者の試合不出場を心配する前に被害者を思いやるのが普通だ。「加害者の擁護」を申し出た保護者が“モンスター・ペアレント”だとしても、それを突き返すくらいの良識も学校にはあったはずだ。体裁を装うためのデマカセか? それとも、今回の『暴力事件』には、保護者が学校に乗り込まなければならないほど複雑な事情が絡んでいたのだろうか。
 「高野連は除名の方向で話し合っていました。除名と脱退のどちらも厳しい選択ですが、同校に正式通告される前に、内容が同校に伝わっていたようなんです。同校は8月末で監督を解任していますし…。除名される前に脱退した方がいいと判断したんでしょう。『除名』ではなく、『脱退』ならば、近い将来、高野連に復帰できます」(前出・同)
 高野連も「脱退表明した高校に追い打ちを掛けるようなことはしない」と判断したようだ。
 高野連を脱退すれば、加盟校とは練習試合もできなくなり、野球部としての活動はかなり制限されてしまう…。

 「甲子園大会が終わると、勝利した高校の内情に関する通報が急増するんです。そのほとんどが匿名ですが」(前出・同)
 夏の準優勝校・光星学院の一部部員が「帰省中に飲酒した」なる事実も発覚した。こちらも“通報”によって明らかにされたという。飲酒、喫煙、暴力は野球部員でなくとも、処罰される。野球部員は特別ではない。指導者は高校野球がいかに注目度の高いか、そして、世間には他人の成功を妬む輩が多いかを教えてやるべきだろう。

*写真はイメージ

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