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怖い話『タンパク源』

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 民話の収集に励むある人物が、北海道の某所で聞いた奇談である。

 その町には現在でも火葬場がない。勿論、死者は出るわけで、そういう場合は隣町の火葬場に行って、焼くのだという。人口もそこそこあるのに、今時、火葬場が無いとは不思議だなと思っていると、一人の古老が口を割ってくれた。

 「実は、終戦後しばらくは、火葬場はあったんじゃ」

 老人の話によると、太平洋戦争直後まで火葬場は存在したのだが、ある事件がきっかけで廃止された。その事件とは、そこに勤める職員の不祥事である。その職員は、戦後の食糧難でも顔色が良く、生き生きとしていた。その事を不思議がる人々がいたのだが、ある時、衝撃的な真相が明らかにされた。

 なんと、遺体の脳味噌を焼いて食していたのだという。つまり、タンパク質の補給を脳味噌で行っていたのだ。そして、火葬場は廃止されたのだという。

 戦後すぐの混乱期に、自分の子供を殺害し、ヤギの肉だと誤魔化して家族で食べてしまっていた事件が実際に発生していた(こちらの事件も判決が出ている)。記録に埋もれてしまっているが、戦後の食糧難の時代には、あちこちで起きていた事件なのかもしれない。

監修:山口敏太郎事務所

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