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金本阪神が中日と広島へ仕掛ける仁義なき“銭闘”ダブル抗争

 阪神が中日とカープ女子に宣戦布告だ。広島カープがリーグ優勝を決めた9月18日の翌日、金本知憲監督(49)の怒りが爆発した。甲子園球場での全体練習前の約1分間、選手やコーチ、裏方スタッフも集め、まくし立てたのだ。
 「もう100%(優勝は)ないんだから。決まったんだから、昨日。次は2位に向けて、2位確保で、それを確保して、CSに向けて…」

 指示を与えたというよりは、喝を入れ直したと見るべきだろう。短いフレーズで矢継ぎ早に話す口調から、指揮官の怒りがヒシヒシと伝わってきた。
 「目の前で、それも本拠地・甲子園で、ライバルに胴上げを決められたのがよほど悔しかったんでしょう。CSを勝ち抜いて、日本一になるとゲキを飛ばしていました」(在阪記者)

 下克上での日本一。その意気込みは虎ファンも大歓迎だが、来季の阪神はこうした「金本監督の激情」も銭に換金していくつもりだ。
 「セ5球団は、全国区となった広島人気の恩恵で、主催ゲームの観客動員数を伸ばしています。特に阪神は『広島サマサマ』。1試合平均で巨人を抜き、12球団トップになったんですから」(同)

 広島が優勝を決めた18日時点での数値では、阪神の1試合平均観客数は前年比2.6%増の4万2401人。さらに鳥谷敬の2000本安打達成のメモリアルが重なり、まだ正式な売上額は発表されていないが、「'05年のリーグ優勝時の記念グッズと同じ勢い」と、関係スタッフは漏らしていた。球団は観客増員による収益の大きさを再認識させられた。
 「春先は移籍してきた糸井嘉男関連グッズが好評でした。グラウンドの話題は銭になる、そう実感したようです」(ベテラン記者)

 今回注目されたのが、金本監督の怒り。今さらだが、金本監督の古巣は広島カープである。今や「タテジマのイメージ」がすっかり定着し、忘れ掛けていたが、緒方孝市監督(49)とは同級生の元チームメイト。金本監督が広島の優勝翌日にゲキを飛ばしたのは、元同僚に敗れた屈辱感もあったのだろう。
 「プロ野球界では緒方監督が5年先輩。金本監督は進学浪人を経て、東北福祉大に進みました。プロ野球は年齢ではなく、入団した年度で先輩後輩が決まりますので、カープ時代の2人は緒方監督の方が先輩となる。興味深いのは、国内FAの件の時。緒方監督は'99年オフ、他球団が獲得に乗り出しましたが、家族の事も考えカープ愛を貫きました。かたや金本監督は'02年オフに阪神移籍を決断し、現在に至っています」(同)

 ともに指揮官となった今、その立場は逆転してしまった。阪神はこの2人の監督の“ライバル物語”で、対広島戦を盛り上げ、カープ女子を甲子園に誘い込もうとしているのだ。
 「昨今、ご贔屓のチームの遠征先まで出向き、日帰り観戦するファンも増えています。『ファンの遠征』ということを考えれば、広島から最も近いところにあるセ球団の阪神は、さらにカープ女子を引き込む要素を持っています」(スポーツライター・飯山満氏)

 それだけではない。中日にも宣戦布告をしていた。
 「中日の優良外国人、アレックス・ゲレーロの強奪です。ゲレーロは本塁打35本、打率2割8分(26日時点)。1億5000万円で中日が獲得しましたが、残留となれば2億円以上の提示は必須。阪神は“脈アリ”と見ています」(在阪記者)

 金本監督が就任してからの2年間、シーズンを通して活躍した外国人野手はいない。「打線の軸になる選手がほしい」と金本監督はフロントに要請している。中日はそのゲレーロの慰留に必死だが、本格的な交渉はシーズン終了後となる。
 「昨年オフの時点で、阪神の渉外担当はゲレーロにも声を掛けていたんです。それを中日にさらわれた後、元楽天のマギーに切り換えたんですが、こちらも巨人との争奪戦に敗れ、キャンベル獲得となりました。阪神にすれば、リベンジの意味合いもある」(球団関係者)

 昨年、MLBドジャースに所属していたゲレーロは、森繁和監督(62)自らが渡米して口説いて獲得した選手。それを強奪したとなれば、中日の「打倒阪神」への思いは高まり、対戦も盛り上がる。名古屋の中日ファンも甲子園に乗り込んできそうだ。
 「阪神のFA補強は投手中心で方向性は決まっています。しかし、ゲレーロの動向次第では、日本ハムの主砲・中田翔に矛先が向くかもしれない」(同)

 中日、広島が最も恐れているのは、エース・藤浪晋太郎の復活だ。160キロ近い荒れ球は脅威なのだ。その藤浪のCSでの登板も予想されており、「ぶつけた」なんてことになれば、来季の広島戦は遺恨の様相まで深まってくる。
 甲子園が熱くなる!

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