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【オリックス】宮内オーナー「野球をもっとしてくれ」ファンの気持ちを代弁!鋭い持論を展開

 オリックスの福良淳一監督が18日、東京都港区にあるオリックス東京本社で、宮内義彦オーナーにシーズン報告を行った。約30分に渡った会談では、チームに足りないことを中心に話し合ったという。会談終了後には、宮内オーナーと福良監督が揃って会見を行ったが、会見の終盤は、先月82歳になったばかりの宮内オーナーが、ファンの気持ちやシーズン中に抱いていた疑問を代弁するかのような鋭い持論を展開。チームに期待を込めた檄を送った。会見の全容は次の通り。

■宮内義彦オーナー&福良淳一監督 一問一答

ーー30分ほどのオーナー報告だったが、主にどのような話をされましたか?

宮内「えぇ。まぁ、いろいろね。足りないところの話をしました」

ーー足りないところとは、戦力的な部分で?

宮内「まぁそういうのも含めてね。足りないところがあったから、上位に行けなかったということですからね。いろんな面で足りない」

ーー報告を受けてオーナーの率直な感想は?

宮内「その通りと(笑)」

ーー監督にはどんな言葉をかけられましたか?

宮内「足りないところというのは、これがチームの力ですからね。そこのところをどう補っていくか。終わったシーズンのことは、結果論であってね。来年に向けては、ひとり一人の能力を…足りないところを補うように能力を上げていくということと、あとは、どういう補強が必要かと。そんなところですね」窓を射ている

ーーオーナーは、今年も何試合か観戦されてたが、今シーズンのチームにどんな印象を持たれてましたか?

宮内「連敗に始まって、連敗に終わったということでね。そういう意味では…そうですねぇ。昨年が最悪…最下位ということですからね。6が4になって、けっこうじゃないかという見方もあるんだけれども、内容的にはですね、確かに、昨年よりはチーム力も上がってる。でも、私の素人目で見るとやっぱり、我々の下を行った二つのチームがね。極端に悪かったんだろうなと。そういう事情もありますよね。6が4になったというような…まぁ浮上しつつある、というような気分にはちょっとならないですね」

ーー今年のオーナーの満足度は?

宮内「44%です。4勝5敗ですから。(観戦)勝率(笑)」

ーー監督は、オーナーに言葉をかけられていかがでしたか?

福良「オーナーと話して、今年を振り返って、その通りかなっていうのが率直な感想です」

ーーかなり的を得ていた?

福良「そうですね。よくご覧になられてるなと思います」

ーーズキンという感じもあった?

福良「はい。だいぶありました」

ーー今シーズンは63勝79敗1引き分けと、昨年の6位から4位になられたわけですが、監督にとって今季の印象は?

福良「オーナーも仰ってましたが、順位は上がってるんですけど、そこまでの手応えはまだまだというのはあります」

ーー昨年の1年目終了時と比べて気持ちに違いはある?

福良「そうですね。まだまだ、手応えはないし、これからやっていかないと悪いことは多いかなとは思います」

ーー今シーズンは『野球まみれ 一勝懸命 2017』というチームスローガンがありました。チームから手応えを感じた部分もある?

福良「ピッチャーに関しては、若手のピッチャーが何人か出てきてくれたなというのは、はい。その一つです」

ーー野手は?

福良「野手はもう少しというか…全然、足りなかったなと思います。外国人とベテランは頑張ってくれましたけど、中堅、若手がもう少し伸びてくれなかったかなというのはあります」

ーー今シーズンいちばんの誤算は?

福良「誤算といえばやっぱり…先発ピッチャーですかね。もうちょっと頑張ってくれると思ったんですけど。それがシーズン通して…金子くらいですか。山岡も頑張ってはくれたんですけど、やっぱり、借金してるピッチャーですよね。貯金したのは金子だけですか。そういうところは誤算でした」

ーー昨年に比べて投手陣の防御率は良くなっているが、来シーズンに向けて投手陣はいかがですか?

福良「今いる選手で、何人か先発ピッチャーを揃えるということは課題だと思います」

ーー先発ピッチャーはあと何枚必要?

福良「最低でも2枚…3枚というところですか」

ーー左右は?

福良「いえ。そこは関係なく」

ーーリリーフ陣は?

福良「ある程度若い選手…黒木、近藤なんかは経験を積んでくれたと思うんですけど、もう1人、2人は育てないと苦しいかなというのはあります」

ーークローザーは平野が途中ファームへの降格もあった中、29セーブを挙げているが?

福良「平野に関してはよくやってくれたと思ってます」

ーー攻撃面は、打率は昨年とほぼ同じで、本塁打と打点は増えているが?

福良「両外国人の活躍が大きかったと思います」

ーー攻撃面で、この部分はと思ったことは?

福良「足が使えなかったというか…どうしても、メンバーがそういうメンバーになってしまったというのもこっちの反省かなと思います」

ーー長打期待の野球になってしまった?

福良「そうですね。あのラインナップを見るとそういう野球になってしまったんじゃないですか」

ーー1、2番をかなり変えていたが?

福良「そこを固定出来なかったのも大きいですね」

ーー今年いちばん頑張った、成長したと思う選手は?

福良「ピッチャーだったら若い選手ですね。黒木、近藤、山岡ですかね。よくやってくれたと思います」

ーー山岡は援護に恵まれない中、8勝を挙げたが?

福良「8勝も大きいですけど、1年間ローテで回ってくれたのがいちばん大きいんじゃないですか」

ーーバッターは?

福良「野手の方はなかなか。よくやってくれたのは、さっきも言いましたけど両外国人とベテランですかね。若い選手が出て来なかったのは寂しいですね」

ーー期待していた割にはと思う若手選手は?

福良「何人かいますけどそこは(笑)」

ーーきょうからチームは秋季練習が始まったが、来シーズンに向けての補強についての考えは?

福良「そこは球団に任せてます」

ーードラフトに関しても編成に任せてる?

福良「はい」

ーーオーナーは今年のドラフトについて、清宮という名前も出ているが?

宮内「私が意見をはさむ余地はないわけですよ。ただ、今のチームの現状を言うと、打つ方と投げる方ならピッチャーですね。恐らく、必要なんだろうなという素人考えですがね」

ーーピッチャーといえば平野の海外FAという記事が出ているが、監督は、どんな思いがある?

福良「やっぱり抜けられると痛いです。絶対残って欲しいです」

ーーファンへメッセージを

福良「今年もこういう結果で終わって、申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、来シーズン必ず強いチームを作って頑張っていきます」

ーーオーナーは、ピッチャーのどの辺りがどうなれば、より浮上出来ると思うか?

宮内「今のチームの成績は、先ほども言いましたように4勝5敗なわけなんですよね。だから.444ですね。これを優勝しようと思ったら、あと2勝足さないといけない。6勝3敗じゃないと優勝出来ないんですね。この2つをひっくり返すというのは、チーム力を相当上げないと優勝ラインに届かないと。地道な補強も必要なんだけれども、やはり、チーム力をグーンと上げるような手立てを何か考えられないかな。そういうことが出来るか出来ないかが、来年のシーズンの大きな枠組みを決めてしまうと、そういうふうに思ってます。そういう意味でドラフト、それから、その後の補強と見ながら、来年のチームを作っていく。それと同時に現有勢力がだいぶ残るわけですけどね。現有勢力の欠陥を、大幅に改善しないといけない。現有勢力の欠陥で言うと、攻撃の方は走れないと。極端に走れない。機動力が低すぎる。それから、決定打がなかなか出ない。バッターが追い込まれると非常に弱いんですね。これはやはり自信がない、力がないからそうなってしまうわけでね。そういう意味では打つ方をもっともっと深刻にシーズンオフに頑張ってもらわなきゃいかん。守りの方で言うと投手力だけれども、私が見る限り2アウトから非常に得点を取られる。なおかつ2ストライクから非常に得点を取られる。力とね頭と両方弱いんじゃないかと。そこを…インサイドベースボールをもっとしないといかん。僕が言うのは漫画みたいだけど、野球をもっとしてくれと。何で2ストライクからあんなところに投げるんだと。そういうのが多いんですよね。私から見ても。その辺の改善を私は出来ると。言うならば現有勢力をさらに一歩、本当のプロフェッショナルになってもらうと。1軍半ばかりじゃダメだと。本当の1軍の選手を作り上げてもらう。猛練習のバファローズということに変えてもらいたい。昔、福良監督が現役のときはもっと練習したんじゃないかと僕は思う。ちょっと甘くなってる。それがあって初めて補強が実を結ぶんじゃないかなと思います。そういう意味で秋の…シーズン終わって練習してどれだけ上手くなるのかはわからんけどね。そこから頑張ってもらうというのも必要だと思います」

ーー福良監督の続投を決めた理由は?

宮内「すべての欠陥がね。負けが監督のせいだとは全然思わないわけでしてね。そういう意味ではこうして2年間苦しんで来たチームを飛躍させるというのは、福良さんに託すというのが私どもの考えです」

ーー平野について監督は絶対残留してもらいたいと言っていたが、オーナーの考えはいかがですか?

宮内「非常に大事な選手であって、球団としては最大の…球団に出来ることは十分伝えているというのが現状だと思います。選手の立場から言うと、一生に一度のね、FAの権利の行使ということですから、広く条件を見るというのもやむを得ないかもわからない。ですから、どうなるかわかりませんけど、我々は残って欲しい。もし、残ってもらえないんであれば我々としては、同等あるいはそれ以上の補強を何としてでもやるということに尽きると思いますね」

オリックスの黄金時代を築いた“名将”故・仰木彬元監督は、亡くなった2005年に「最終的にちゃんと宮内さんを笑顔にさせるぞ」と田口壮二軍監督に話していたという。福良&田口体制で臨む3年目のシーズンは、球団統合後初の優勝を果たすことで、宮内オーナー会心の笑顔を見させてもらいたい。

取材・文 / どら増田(オリックス番ライター)
カメラマン / 舩橋 諄

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