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巨人対オリックス前日、ドーム初の路上プロレスで、高木三四郎と鈴木みのるが大暴れ!

▽DDTプロレス『路上プロレス in 東京ドーム』
6月1日 東京ドーム
観衆 0人

 プロ野球はセ・パ交流戦が5月30日にパ・リーグの本拠地で開幕。各地で激戦が繰り広げられている。交流戦は、2カード6連戦ずつ日程が組まれているのだが、東京ドームを本拠地としている巨人は、1日まで仙台で楽天戦を行っており、2日から東京ドームで開催するオリックス戦は、移動日なしの当日移動となるため、1日の東京ドームは空いていた。

 前代未聞の東京ドーム全域を使用した試合を実現させるため、東京ドーム側に打診をし続けていたDDTに吉報が届いたのは、3月中旬だったという。3月20日にさいたまスーパーアリーナで開催された旗揚げ20周年記念大会『Jugement2017』で、高木三四郎社長が自らの引退を10カウントゴングの途中で再撤回(15周年記念の日本武道館大会のときも同じ手法で撤回している)すると、場内の特設ステージに設置されたスクリーンに『路上プロレス in 東京ドーム 決定』の文字が映し出され、10,702人の大観衆からどよめきが起こった。

 DDTにとって20周年記念イヤーでの東京ドーム大会開催は、15周年記念大会の試合後に引退を撤回した高木と裏切られた形になったみのるによる、以下のようなやり取りから“公約”されたことである。

 高木「俺と勝負しろ! ただし今日じゃない。1年後……いや、5年後! 俺がDDT20周年興行をやろうと思っているここで闘え! 両国(国技館)もやった! 武道館もやった! もうここしか残ってない!」

 ※武道館の特設スクリーンに東京ドームが映し出される

 高木「5年後、東京ドームで高木思案四郎vs.鈴木みのる決定だ!」

 鈴木「何でもかんでも勝手に決めるんじゃねぇよ!(中略)5年後の東京ドーム、日付決まったら教えろ。ただし今日は武道館級の痛みだったが、次は東京ドーム級の痛みを味わわせてやるよ。DDTの大人気なさ、とことん付き合ってやるよ!」

 あれから5年が経ち20周年記念大会は、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催されたが、高木は昔から“有言実行”してきた男なだけに、東京ドーム大会の実現を信じていたファンも少なくない。結果、通常のドーム興行ではなく、観客も入れずリングも組まれないワンマッチという形式になったが、“東京ドーム史上初”の路上プロレスは世界のプロレス史に残るインパクトを与えたと言ってもいいだろう。

 試合は、先に高木が入場し、各ベースでファイヤーポーズ。決めのファイヤーはホームベース上で決めた。続くみのるはNEVER無差別級王座のベルトを片手に、誰もいない客席を煽りながら入場。「風になれ」とともにエアロープを跨いだ。

 アジャ・ゴングによる国歌斉唱の途中から、2人が小突きあいを始め、国歌斉唱が終わると同時にゴング。最初の10分は1〜3塁ベースに触ると「セーフ」(ロープエスケープと同じ扱い)という松井レフェリーだけが知っていたルールに翻弄されつつ、グランド内での攻防が続く。

 高木が連れ出す形で、2人は1階スタンドを駆け上がると、そこに現れたスーパー・ササダンゴ・マシンとみのるがやり取りをしている隙をついて、高木が消火器を噴射。「鈴木みのるバーカ! バーカ!」と言いながら、赤井沙希扮するビールの売り子が待ち構える2階スタンドへ逃走。階段の途中に現れた伊橋剛太をボコボコにしながらみのるも追いつき、高木をスタンドから落とそうとするが、赤井が邪魔をする。

 そこから1階スタンド上にあるコンコース経由で、1階スタンド下段の飲食物販広場に闘いの場を移す。そこに清掃員に扮した葛西純が現れ、高木とみのるが1階コンコースで拉致をした大家健をテーブルにセットし、葛西が自らセットしたラダーに登り、ダイビングボディプレスを放ち、テーブルクラッシュ。倒れた大家を放置しながら、普段はカーテンでガードされている禁断の巨人側バックステージへ。

 そこには男色ディーノや楽しんご率いる二丁目軍団が待ち構えており、カオスな状況。ここは「エイドリアーン」と叫ぶロッキー川村を生贄にして3塁側のバックステージへ移動すると、中邑珍輔と棚ボタ弘至が試合をしている。みのるは中邑を、高木は棚ボタをKOしてからブルペンに移動。

 ここでは西武ファンの石井慧介や、オリックスファンの中津良太らがそれぞれ好きなチームのユニフォームを着ながら投球練習をしている。それを見守るのは、天龍源一郎監督!

 ブルペンで大暴れした後、グランドに出るとマウンド上にはコスチューム姿の里村明衣子が「私と勝負しろ!」と2人を挑発。両ベンチにはDDTの所属選手やゲスト選手、タレント、お笑い芸人たちがズラリと顔を揃えて野球対決が行われた。不甲斐ない高木に天龍監督はみのるを代打に送ると、里村がみのるにデッドボール。両ベンチから選手が総出でグランドに飛び出し大乱闘。これには天龍監督が一喝し、事態は収集した。

 再び2人での闘いになるとダウンしたみのるを見た高木が勝負にでる。しかしスーパーランニングラリアットを狙うも、見事に交わされ、スリーパーからのゴッチ式パイルドライバーをホームベース上で決めて万事休す。高木はリベンジを果たすことができなかった。

 試合後、高木はみのるを呼び止めると

 「今日来てる、ここにいる、DDTの選手たち、そして、うちの所属の人間、BASARA、DNA、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレス、俺達が、育て上げたレスラーが、必ずお前の首を獲りに行く! これ以上の舞台はない! だから、高木三四郎、今日で、引退します。鈴木さん、俺の最後の対戦相手になってくれて、ありがとう」

 とまたもや引退宣言。しかし10カウントゴングのカウント7で、「馬鹿めー!」と叫ぶとみのるにスタナーを放ち「嘘じゃー! 俺が引退するとでも思ったか! 嘘じゃー! 5年経ってもまだあんたに勝てなかったよチキショー! 俺は、まだまだ諦めねーぞ。あんたと次に闘うのは、ここだ!」と叫ぶとドームのビジョンに“無人島”が映る。「無人島で、路上プロレスだ!」

 これに対してみのるは「やってやるよ! 巌流島を用意しとけ!」と受諾した。

 みのるが引き上げると高木は「これで次の闘いは決まったぞ。次は鈴木みのると無人島で勝負してやる。いいか?俺は引退なんかしねーよ! 栄光のDDTは永久に不滅です! ありがとう!」と絶叫すると高木のテーマ曲「Fire」が流れ、同時に再び選手たちがグランドになだれ込み大乱闘。みのるは高木をセンターの前まで連れ出し、サッカーボールキックを叩き込むと、2人とも大の字になり大会は幕を閉じた。

 大会終了後、高木はビジョンに映し出されたDDTのロゴを指差しながら「終わったよ! 見てくれ! DDTのロゴマークがついてるこの東京ドーム! 誰がなんと言おうと、今日の東京ドーム大会は、DDTのみんなの東京ドーム大会だ。配信を見てた人間も、今日集まってくれたみんなも本当に感謝します。そして、今日の大会を実現するために色々動いて頂いたスタッフの皆様、東京ドームの皆様、本当にありがとうございました! 次またここに戻ってくるときは、ノーピープルじゃなくて、お客さんを入れた大会にしたいと思います。鈴木みのるとの戦いは、終わらない。無人島で、無人島でやってやる!本当にこの大会ができて感謝致します。DDT20周年の集大成でした。でも、これで終わるんじゃなくて、次は、満員の東京ドームでDDTの大会をやってやる! 以上!」とマウンド上でコメントすると、土塗れになったまま記念撮影に応じた。

 この試合を見たDDTの選手はかなり刺激を受けたようで、各自がSNSで感想などをしっかり発信していたのが印象的だった。男色ディーノは東京ドームに来場すること自体が初めてだったとのこと。今大会が社長自らが身体を張った甲斐のあるものだったかどうかは、観客を入れた形での東京ドーム大会が実現したときにわかることだろう。

 やはり、東京ドームには夢が詰まっている。そう思わずにはいられない画期的な大会だった。

▼メインイベント 東京ドーム全域を使ったノーピープル路上プロレス 時間無制限一本勝負

●高木三四郎 (33分54秒 片エビ固め) 鈴木みのる○

※ホームベースでのゴッチ式パイルドライバー

◆主な登場人物

男色ディーノ / スーパー・ササダンゴ・マシン / 坂口征夫 / 石井慧介 / 大家健 / 赤井沙希 / 伊橋剛太 / 中津良太 / 葛西純 / レディビアード / アジャ・コング / 里村明衣子 / 中邑珍輔 / コレステロールタクヤ / ロッキー川村 / 天龍源一郎 / 棚ボタ弘至 / 楽しんご / ムエタイ戦士 他

(取材・文 / どら増田)

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