米地質調査所(USGS)によると、ソロモン諸島沖で12月10日午前4時10分頃(日本時間=以下同)、M6.9の地震が発生。前日にもM7.8の大きな地震が起きており、これが日本列島にも影響を及ぼすとの見方がある。
「同じく太平洋の西端で起きた巨大地震では、11月13日にニュージーランド(NZ)でM7.8とM6.2の大地震が立て続けに発生していますが、9日後の22日早朝には福島県沖でM7.4が起きている。東北地方では最大震度5弱の揺れを観測し、宮城県石巻市の小淵漁港で高さ2.1メートルの津波があったことも判明し、東日本大震災を思い起こさせました。この連続性に“NZの法則”を指摘する専門家もいるのです」(サイエンスライター)
11月13日のNZ地震後、日本での地震について警鐘を鳴らしていた琉球大名誉教授の木村政昭氏は、こう説明する。
「西北に動く太平洋プレートにおいて、ソロモンで大きな地震があれば、当然、日本列島付近にも影響がある。今回の場合は、その影響が福島沖で東日本大震災の際に割れ残った場所に出たが、今度は日本海溝からマリアナ海溝にかけての、しばらく地震発生をしていない空白域が危ないと思われます」
マリアナ海溝付近のソロモン諸島辺りでM7以上の大地震が発生すると、数カ月以内に日本付近でも高い確率で大きな地震が発生することは、過去のデータを見ても明らかだ。東日本大震災の17日前にも、やはりNZでM6.1のカンタベリー地震が発生している。
「1995年に起きた阪神・淡路大震災でも、その18日前にマリアナ諸島付近でM6.3の地震が起きていました。今回のソロモン諸島沖での連続地震により、日本列島付近での巨大地震発生の可能性が高まったと言っても過言ではありません」(前出・サイエンスライター)
さらに前出の木村氏は、今年発生した熊本地震や鳥取中部地震が、フィリピン海プレート東縁にあたるマリアナ海溝付近の地震の空白域からのプレッシャーにより発生したと見ている。
「つまり今回の動きは、日本列島で内陸型の地震を誘発させる見方もできるということです」(同)
太平洋プレートの位置関係を考えると日本は他人ごとではない。いよいよ、関東直下型がやってくるのか? 人々が激しく移動する師走の時期、直下型ソロモン諸島の恐怖の“連鎖”が来ないことを祈りたい。