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役人根性まる出し! トクホ(特定保健用食品)認定に蠢く「大手優遇」「事なかれ主義」「私利私欲」を暴く(2)

 今年2月上旬に出された安全委(専門調査会)の“評価書案”によると、《ヒト試験での有害事象は認められていない》。つまり心臓への副作用はないと記されていたが、《その機序で作用していると判断するには十分なデータが示されていない。(だから)作用機序および安全性について、科学的に適切な根拠が示されない限りにおいては、本食品の安全性を評価することはできないと判断した》と述べられている。
 消費者委でも作用機序については約2年の時間をかけて議論しており、安全委の言う「十分なデータが示されていない」のなら、そもそも消費者委が了承するはずがない。安全委の言う「評価できない」とは、『蹴脂茶』について、詳細が全くわからないと述べているに等しい。こうなると職務放棄と言えやしないか。

 また安全委は「β受容体に作用して脂肪を代謝しているとの機序が信じられない」との見解を示しているが、今回、リコムからの依頼でトクホ申請のデータ作成に携わった日本きのこ学会会長で、東京農大の江口文陽教授はこう反論する。
 「作用していることは、私だけでなく複数の研究者が認めていることですから間違いありません。“安全委”ですから、機序がどうであれ、安全かどうかの審議に徹していただきたいものです」

 くどいようだが『蹴脂茶』の安全性については、過剰摂取試験を含む臨床試験において有害事象は何ら認められていない。一方『蹴脂茶』の作用機序が正しいとする消費者委の意見に従えば、それでダメなら『蹴脂茶』のような従来になかった関与成分、作用機序、あるいは保健の用途を申請する先進性の高いトクホは、今後許可取得が困難になってしまう。こんな姿勢では“保健機能食品制度”が正しく運用されないのではないか。
 安全委に否定された格好の消費者委に、両者の齟齬をどう思うかと尋ねたが、「この件に関するパブリックコメントの募集が締め切られたばかりで、当委員会に戻されておらず、現段階でコメントはできない」との答えが返ってきた。

 安全委は3回にわたり『蹴脂茶』の安全性について議論した議事録を残している。その文言の中に、驚くべき発言が登場する。
 《『蹴脂茶』の作用機序は、多くの製薬企業が挑戦し失敗している。この減量メカニズムの開発に、画期的なことを扱っているとはとても思えない申請者(リコムのこと)が成功するはずがない》
 これは東大大学院農学生命科学研究科のH教授(安全委座長代理)の見解だが、まるで“中小企業ごときに抗肥満物質の開発などできるはずがない”と言わんばかりに聞こえる。
 《『蹴脂茶』がトクホとして世に出た場合、世界初の安全に使える減量薬になる》と、ある委員が発言したことを制しての発言である。
 またこのH教授、βアドレナリン受容体への作用について、心臓に関係する副作用報告が一部にあるとして『蹴脂茶』否定論を述べた人物でもあり、一貫して『蹴脂茶』を否定し続けていたという。

 こうしたH教授の発言の裏には、どうやらとんでもない真実が隠されているようだ。
 「H教授の研究室はK薬品、D製薬、F製薬と共同研究を展開中です。またこれらの製薬会社に大学院生を就職させているばかりか、この3社はβアドレナリン受容体に刺激を与える抗肥満薬や抗肥満食を開発中で、特許庁で確認できる限りK薬品55件、D製薬17件、F製薬10件の特許出願があるのです。ですが、まだ医薬品としては日の目を見ていない。またH教授自身が特許を製薬会社と共同出願しています。つまり『蹴脂茶』は、H教授本人や教え子たちが開発中の医薬品や健康食品のライバルとなるために認めなかったと疑わざるを得ません」(業界紙記者)
 この点についてH教授に尋ねたが、「安全委のホームページに本食品に関する見解は述べられている。それ以上でも以下でもない」と語るのみだった。

 食品の安全確保は何よりも大切である。しかし、身近となった“トクホ”という国の認定制度に「大手優遇」「事なかれ主義」だけでなく「私利私欲」までが跋扈しているようなら、ただのスキャンダルでは済まないだろう。

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