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コンピューターゲームの20世紀 第2回…『スペランカー』

 <身長ほどの落差でも簡単に死ぬ>

 「地下深くに存在すると云われる伝説のピラミッドには、計り知れないほど高価な宝物が眠っているという」(説明書より一部引用)。この高価な宝物に目がくらんだのだろう。些細なことで即死する極度の虚弱体質にもかかわらず、主人公はたった一人で危険な洞窟に足を踏み入れるのだった…。
 伝説の“死にゲー”として今も多くの人々から愛される『スペランカー』は、1985年にアイレムから登場。ただし元は海外PC向けのゲームであり、ファミコン版がオリジナルではない。ゆうれいを倒すために銃(のような物であり説明書にも記載なし)を使ったり、爆弾を仕掛ける等のシーンは時おり見られるものの、ジャンプがアクションの中心。従い、ジャンプが上手く出来ない人にとっては、単に死にやすいだけのダメなゲームに映るかもしれない。が、ある程度のテクニックが身につけば、良ゲーに変貌を遂げるのである。
その証拠に、本作にはファミコン版発売当初から多数の愛好者がおり、中には延々と周回プレイを重ね、事実上の最終周である256周に到達したジャンキーも。なお、2007年8月からは、過去の名作ゲームをネット配信するWiiのバーチャルコンソールにも仲間入りを果たした。しかも配信直後には『スーパーマリオブラザーズ』を抑え、ダウンロードランキング1位を約2週間に渡って死守するという快挙まで達成。いわゆる“クソゲー”もしくは“バカゲー”に類するゲームでは異例の事態と言えよう。

 <スペランカー先生の弱さは未来永劫語り継がれるべき>

 ところでクソゲーやバカゲーはその定義が非常に難しいが、最低条件として、プレイヤーを惹きつける何かしらの魅力がなければならない…というのが筆者の考え。たとえば、本作と同じくジャンプに重きを置いたゲームでも、悪名高い『カケフくんのジャンプ天国スピード地獄』はクソゲーには該当しないといった具合だ。こういったゲームに関しては、単純に“ゴミ”と呼ぶことにしている。
 さて、この『スペランカー』だが、次世代機ではWiiの他にPS3でも配信されており、6人までの同時プレイが可能(オンライン対応)。美麗な3Dポリゴンで描かれたスペランカーを楽しめるリニューアルモードのほか、昔懐かしいオリジナルモードも搭載しており、全4面だったステージ数は100面まで増加。ちなみに操作方法などの基本システムはファミコン版の流用だが、今プレイしてもそれが古臭いとは感じない。つまり、20年以上も前にゲーム性は既に完成の域に達していたということなのだろう。
 本来ならば神ゲーと評されてもおかしくないほどのデキである(さすがに言い過ぎか)。しかしながら、本作は「死にやすい」というだけでクソゲーのレッテルを貼られた。とは言え、洞窟内で足下を滑らせて死ぬというのは現実世界でもたまに耳にすることがある。そこで筆者は偉大なるスペランカー先生の名誉のため、この機会に彼が本当に虚弱体質か否かについて検証してみようと考えたのだが、彼が「コウモリのフンに当たって死ぬ」のを思い出して検証を断念。スペランカー先生は、やはり「どうしようもなく弱い」のである。そしてこの先も“史上最弱の主人公”として、人々から永遠に愛されることだろう。(文=内田@ゲイム脳)

DATA
発売日…1985年12月7日
メーカー…アイレム
ジャンル…アクション
(C)1985 IREM CORP.LISENSED FROM BROADERBUND

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