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『マルモのおきて』スペシャルは癒し度がアップ

 フジテレビ系ドラマ『マルモのおきて』スペシャル「薫と友樹、友だちの願いをかなえるためにカッパさがしの大冒険 マルモがいつか結婚して子どもができても、薫と友樹のことをずっと好きでいてね」が9日に放送された。愛らしい子役や動物に癒されるドラマであるが、スペシャル版は舞台となった山梨県のブドウ園の自然と、子役の増加、河童という超自然によって癒し度がアップした。

 『マルモのおきて』は高木護(阿部サダヲ)と親友の幼い双子・笹倉薫(芦田愛菜)・友樹(鈴木福)、犬のムックの共同生活を描いたドラマである。『マルモのおきて』はテレビドラマの鉄板ネタである子どもと動物を前面に出すことで人気を博した。
 スペシャル版では子役は護の大学の後輩の子どもの翔太(矢部光祐)と菜々(清水詩音)も加わり、パワフルになった。動物については人語を話すムックの不思議さは見慣れてしまったが、新たに河童の存在がアクセントになった。子どもの夢を大切にする大人の頑張りが微笑ましい。
 ストーリーは別の家族(護の大学の後輩)の問題を中心としながら、マルモの家族の絆を強めるというドラマ本編の主題にも結び付く。それによって完結したドラマのスペシャル版が陥りがちな蛇足のイメージを回避している。しかも、護と畑中彩(比嘉愛未)の関係に余韻を残す結末になっており、さらなる作品も期待できる。

 同じ9日にはNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』が第39回「運命の対面」を放送した。前半は江(上野樹里)と福(富田靖子)の確執である。自分が出産した子は自分の子であるという江の現代人的感性と徳川家の子とする徳川家康(北大路欣也)の封建社会の常識は噛み合わない。
 家康(北大路欣也)と豊臣秀頼(太賀)の対面となった後半は一転して大河ドラマらしい迫力となった。秀頼役の太賀は茫洋としているが、家康の対面では鋭さを見せる。家康に「豊臣家を滅ぼさなければならない」と思わせる流れを自然に演出した。
 主人公が出ないシーンの方が大河ドラマらしいという状況は皮肉であるが、家康に「どいつもこいつも」と嘆かれる秀忠(向井理)と江のKYぶりがあるから秀頼が一層脅威になる。その意味では江の時代背景無視もドラマの中で役に立っている。

 同じく9日のNHK BS時代劇『塚原卜伝』は第2話「御前試合」である。上洛した塚原新右衛門(堺雅人)は無法者から鹿乃(京野ことみ)を助け、将軍・足利義伊(本田博太郎)の御前試合に出場する。『塚原卜伝』では新右衛門の強さは圧倒的である。強敵が障害になるというよりも、自分の中で作った壁の克服という自分との戦いになっている。
 これは日本で最もメジャーな剣豪である宮本武蔵とは対照的である。小説などで人口に膾炙している武蔵と比べた武蔵には吉岡一門や佐々木小次郎などの強敵が存在し、彼らの胸を借りて成長した面がある。『塚原卜伝』にもドラマを彩る強敵が現れるのか注目である。

(林田力)

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