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個人宅に眠る“死蔵”スマホ1兆円を巡る新ビジネスの行方

 国内では毎年約3800万台規模の新品携帯端末が出荷されているが、中古端末市場の広がりはまだ限定的。理由は制度面に加え、ビジネス面でも乗り越えなければならない大きな課題が横たわっているからだ。
 「関西大学の宮本勝浩名誉教授が、使っていない携帯端末の数に平均買い取り価格を掛けた総価値を推計していますが、それによると2億台以上の端末が個人宅などに“死蔵”されており、その価値は1兆6489億円にも上るといわれます。ゲオホールディングスの同様の調査でも1兆7013億円と弾かれ、市場に流通する中古端末の約100倍に相当する量が眠ったままなのです」(ITライター)

 中古端末市場のトップは前述のゲオ。ブックオフコーポレーション、ソフマップが続き、いずれも月間流通台数は数万〜10万台規模とみられる。その他、独立系の小さな企業群が多数、この市場の巨大な潜在性に着目して参入しているが、なかなか広がらない。
 「データや個人情報などが入っているから手放すのは不安という人も多く、こうした中古スマホを修理する体制の不備が、まずあります。一方で、数台を使い分けているという人も多い。それと一番大きな問題は、例えば『iPhone』の人気機種ですと、買い取り台数が数万〜10万台以上を全額現金払いという案件がザラにあります。ところが、数億円分を一括で買い取り、流通させる力を持つ国内企業がないため、海外企業に持っていかれてしまうのです。ですから結果的に、人気機種は国内市場に出回らないというビジネス上の問題もあります。こうした案件も『死蔵』にカウントされているのではないでしょうか」(同)

 今年3月、中古スマホや携帯電話などを取り扱う8社が発起人となり、普及と健全化を図る任意団体『リユースモバイル・ジャパン』が設立された。果たして、多く眠る中古端末を掘り出すことができるだろうか。

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