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連敗のトラが苦渋の選択 金本監督は藤浪と心中する!

 鯉のシッポが遠のいた。巻き返しの切り札は、藤浪晋太郎(23)か…。

 阪神は交流戦から数えて5連敗を喫した(6月27日)。ゲームセットの瞬間、金本知憲監督(49)は眉間に皺を寄せ、腕組みをしたまま…。手痛い敗戦を喫したときに見せる“怒りのポーズ”である。

 「通常リーグ戦再開当時、首位広島と2位阪神のゲーム差は『3』。阪神は広島戦でリーグ戦を再開させ、その3連戦で勝ち越し、広島を捉える目論見でした。27日時点でのゲーム差は『6』。阪神打線の調子が落ちているだけに、広島は暫く安泰でしょう」(プロ野球解説者)

 金本阪神はその広島戦を2敗(1試合が雨天中止)、次カードの中日戦も黒星スタートとなってしまった。昨季は交流戦で広島が勢いづき、独走態勢を固めた。2位阪神が失速し始めたのを見ると、一刻も早く手を打たなければ、昨季の二の舞になってしまう。

 「試合前、金本監督は新外国人選手の緊急補強に向け、動き始めていることを認めました。二軍では西岡(剛=32)が一塁をテスト的に守るなど、打線強化の対策も色々と進めています」(球界関係者)

 新外国人選手の加入、西岡の復帰。戦力強化にはなるだろうが、失速したチームを建て直すには、やはり「投打の中核選手」が結果を出すしかない。4番・福留孝介(40)は経験値も高いので不振は長引かないだろう。しかし、エース・藤浪晋太郎(23)は“見切り発車”になる可能性が出てきた。

 藤浪は現在も二軍調整中だ。去る5月27日にプロ入り初となる二軍降格を通達されたのだが、当時、香田勲男・一軍投手コーチ(52)は単なる調整ではなく、「無期限再出発」を示唆していた。

 「今季は脱力投法とやらに投球フォームを変えました。二軍戦ではグラブの位置や腕を振るタイミングを微妙に変えるなどしていますが、試行錯誤の連続です。好投しても二軍首脳陣が一軍再昇格のゴーサインを出さないのは、投球フォームが固まっていないと見ているからでしょう」(前出・同)

 投球フォームの改造に着手したのは、ノーコン病を克服するため。だが、藤浪の長所は猛々しさだ。投球フォームの改造は藤浪らしさを消してしまうものでもある。首脳陣があえてアドバイスを送らず、もがき苦しんでいるのを見守っているのは、将来の教育のためでもある。

 「序盤戦は戦力的に余裕があったので、藤浪を二軍降格させることができたんです」(同)

 6月24日の二軍戦、藤浪は7回2失点と好投したが、自慢のストレートは150キロにも届かなかった。本人は復調にきっかけを掴んだようなコメントも残していたが、掛布雅之二軍監督(62)は「色々と試しているみたいだね」としか語らなかった。

 藤浪に無期限調整を許す余裕がなくなってきた。今の藤浪はベストピッチングこそできないが、“ある程度”なら抑えてくれる。また、不完全であってもエースが勝てばチームは勢いづく。今、対策を講じなければ、広島は独走態勢を築いてしまう。藤浪の将来を思えば、早期の一軍昇格は良策ではないが、「金本監督の胸中に藤浪昇格案はある」との情報も交錯している。

 藤浪の次回登板は6月30日(予定)。この二軍戦で「ある程度なら投げられる」と判断されれば、金本監督は「藤浪との心中」を選択しそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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