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『リバウンド』最終話、デブ役で女優の幅を広げた相武紗季

 日本テレビ系ドラマ『リバウンド』最終話「あきらめない女」が、6月29日に放送された。
 『リバウンド』は主演の相武紗季の特殊メークで太った姿が話題になり、デブの女性になりきった相武の暑苦しい演技も評価されたドラマである。最終話は相武がリバウンド体系のままで幸せになった女性を演じきった。

 大場信子(相武)は今井太一(速水もこみち)と別れ、トンカツ屋「トントン亭」を継ぐことを決意した。しかし、父親の睦己(石塚英彦)の味を求めて試行錯誤するも、うまくいかない。太一も10個目のケーキ作りに苦戦中であった。トンカツ屋を継ぐ信子とケーキ屋を継ぐ太一では相容れないと考えていた信子は、意外な解決策を思い付く。

 最終話ではダイエットやリバウンドが脇に追いやられた『リバウンド』であるが、最初から一貫していたテーマはケーキである。全10話で太一は新作のケーキを毎回発表している。それらのケーキは東京都世田谷区の「コンディトライ・ニシキヤ」のパティシエ・西田喜孝氏が作る本格的なものである。
 これまでのケーキは世の中に存在するもののアレンジであったが、最終回の新作ケーキは一般的なケーキの枠組みを超越していた。このドラマのために存在するユニークである。このケーキ作りが最終話のヤマ場で、信子と太一に三村瞳(栗山千明)や風見研作(勝地涼)と主要キャラが一堂に会した中で行われた。

 また、ドラマ冒頭の信子の自分語りではケーキ依存症であると紹介される。依存症という言葉はアルコール依存症のようにネガティブな文脈で使われがちである。これに対し、信子のケーキ依存症は美味しいケーキを食べると幸せの鐘が鳴り、必ずしも悪く描かれていない。実際、太一は幸せの鐘が鳴っている信子の笑顔を観ることで幸福になれると言っている。
 ケーキを食べる幸せを肯定するドラマが無理なダイエットを否定することは当然の帰結である。信子は激太りではないものの、太めの体型で結末を迎えた。当初の『リバウンド』では痩せていた信子がダイエットに成功した姿、太った信子がリバウンドしてしまった姿であった。
 そのために痩せている信子は理想的な体型の筈であるが、太っている時とのギャップから逆にガリガリで不健康的との印象を与えた。これは太った姿を本来の姿と位置付けることでハッピーエンドとなるドラマに沿っている。スタイルの良さを魅力の一つにしていた相武紗季であるが、『リバウンド』のデブ役で女優の幅を広げることになった。

(林田力)

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