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金本監督の奇策 トラの正捕手に意外な選手が急浮上

 阪神・金本知憲監督(49)が早くも「奇策」を用いることを示唆していた。
「備えとしてはいいんじゃない? 備えとはして…」
 まだ迷っているような口ぶりだったが、金本監督の性格をよく知る関係者たちは「本気だ」と確認していた。新外国人選手のウィリン・ロサリオ(28)を捕手で起用するプランも温めているというのだ。これは、去る1月16日、記者団とのフリートークのなかで出たもの。ロッキーズでメジャーデビューしたロサリオは、元々は捕手だったのは有名だ。一般論として、日本のプロ野球チームは「捕手=日本人選手」と決めている。例外はあったが、日本人投手とのコミュニケーションや、バント処理など一球ごとにサインを変える守備指示の細かさから、外国人捕手は日本球界に適応しにくいと解釈されてきた。
 しかし、ロサリオについて聞いてみると、「奇策」ではなく、「正攻法の作戦」のようなのだ。

「ロサリオは強肩捕手でした。チームの都合で一塁も守っていましたが、フットワークも軽いし、守備も上手でしたよ。配球などのインサイドワークまでは分かりませんが…」(米国人ライター)
 阪神渉外は「右の大砲」として、ロサリオを獲得した。守備位置も一塁か外野で制限して探していたように、捕手ウンヌンは話に入っていなかった。ロサリオが候補者リストに上がり、そのプロフィール上で「元捕手」と分かっただけだ。関西地区で活動するプロ野球解説者がこう続ける。
「どのチームもそうですが、捕手は守備優先。『打てなくてもいいから、味方投手を巧くリードしてくれ』と思っています。でも、攻撃中、得点圏に走者を置いた場面で捕手に打順がまわってきても代打を出しにくいんです。捕手は怪我の多いポジションでもあるので、ベンチに控え捕手を残しておきたいというのが指揮官の心境です」

 金本監督は、キャンプ、オープン戦で「捕手・ロサリオ」をテストしてみるという。通常、どの球団も3人の捕手を出場登録して試合に臨む。ロサリオが「使える」と判断すれば、「第3の捕手」として計算に加えるそうだ。
「スタメンで起用した捕手に対し、躊躇わずに代打を送れるようになりますし、捕手の登録人数を2人に減らすのなら、その分、投手を増やすこともできます」(前出・同)
 捕手・ロサリオはテストする価値がありそうだ。先の米国人ライターもこう言う。
「ロサリオはウインターリーグに参加し、そこでも捕手として守備に付いています。阪神に移籍するにあたって、現地で新しいキャッチャーミットをオーダーしています。去年まで在籍した韓国球界でも、自ら志願して捕手をやっています」

 阪神入りにあたって、背番号20を希望した。「20」番は2011年9月、メジャーデビューした際につけていた番号であり、彼の憧れの選手であった元ヤンキースの正捕手、ホルヘ・ポサダの背番号でもある。捕手というポジションが好きな選手のようだ。ウインターリーグでマスクをかぶり、かつキャッチャーミットを新調した経緯からして、金本監督の「第3捕手構想」はロサリオにとっても好都合のようだ。
「去年のちょうど今頃、金本監督は原口(文仁=25)に対しても、同じような話をしていました。肩に故障歴もあるのでこのまま捕手として育てるべきか、一塁手に専念させるかでコーチ陣の意見は二分していました。金本監督だけは『両方やらせてみて…』という言い方でしたね」(前出・プロ野球解説者)
 複数のポジションを守れるようになれば、出場機会は自ずと増える。しかし、投手をリードする捕手に関しては、話は別だ。自軍投手の持ち球、相手打線の攻略、守備陣営の確認など試合前に準備しなければならないことがたくさんある。原口が昨季、打撃不振に陥ったのは、兼任守備による負担も影響していたのではないだろうか。

 ロサリオの第3捕手構想によるメリットはたしかに大きいが、近年の阪神にはフル出場を果たした捕手がいない。いっそ、ロサリオを捕手で使い続けてみてはどうだろうか。

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