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メッキ案も浮上“100歳「銀杯制度」はムダ”に賛否両論

 100歳を迎えたお年寄りに厚生労働省がお祝いとして贈っている純銀製の『銀杯』が“ムダ”と指摘され、賛否が渦巻いている。

 「きんは100歳、ぎんも100歳」。1991年に数え年で100歳を迎え、当時の愛知県知事と名古屋市長から長寿の祝いを受けたことがきっかけで全国的に有名になった双子姉妹「きんさん、ぎんさん」にも銀杯は贈られた。事業の方は「100歳の長寿を祝い、国民が高齢者の福祉についての関心と理解を深めること」を目的に'63年度から始まっている。
 発足当時は100歳以上の高齢者も含む153人に首相のお祝い状と『木杯』が贈られたが、その数年後、現在の『銀杯』に変更された。ただ制度発足から半世紀が経ち、世界一の長寿大国になった日本のお年寄りは、2014年度には2万9357人にまで増えた。

 おめでたいことには違いないが、予算も'14年度2億7000万円に上り、先ごろ行われた各省庁の予算の無駄を外部有識者がチェックする行政事業レビューから「抜本的な改善が必要」と指摘された。厚労省からではなく、有識者に言わせる相変わらずの“お手盛り行政”丸出しだが、待ってましたとばかりに概算要求額は約1億5000万円と半額に値切ったのだ。
 「銀杯は銀相場にもよりますが、約7000円〜8000円。毎年3月時点で100歳の高齢者をピックアップし、直近の存命率などのデータを加味した上で予算を決める。対象者の死亡で見積もり贈呈数が少なくなることも多いのですが、裏面にその年の『老人の日の年月日』を刻印するため、余っても翌年以降に持ち越せません。予算削減で銀メッキにする案も浮上しています」(厚労省担当記者)

 「100歳超えの祝いがムダ? それを言っちゃあおしめえよ」と寅さんならタンカを切るに違いない。長寿を銀杯で祝うというお上にしては上出来の行為も「カネがない」の一言でメッキが剥がれてしまった。

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