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球界の盟主交代 巨人を蹴落としたソフトバンク100億円補強の全内幕(2)

 それにしても「何でも欲しがる」あの巨人は、一体どこへ行ってしまったのか−−。今季はリーグ優勝こそ果たしたものの、CSでは阪神に4連敗し、日本シリーズ出場を逃した。今まで“球界の盟主”のメンツにかけて大補強を敢行してきたはずなのに…。
 今年同様にリーグ優勝してCSで中日に敗れた2007年オフには、ヤクルトから4番ラミレスとエースのグライシンガーを強奪し、返す刀で横浜の守護神クルーンも。なりふり構わず、同一リーグのライバル下位球団からエースと抑えと主砲を獲得した。落合中日の前に2年連続で3位に沈んだ'11年オフには、ソフトバンクの左腕エース杉内俊哉投手と横浜の4番村田修一内野手をFAで獲得し、今シーズンまでの3連覇につながった。

 ところが、今オフはとんと景気のいい話は聞こえてこない。当初こそ、やれオリックスの金子千尋投手、中日の山井大介投手、ロッテの成瀬善久投手、DeNAのグリエル内野手、楽天の嶋基宏捕手だのと景気が良かったが、次々に逃げられトーンダウン。日本テレビ関係者がため息交じりに話す。
 「巨人がFA補強の柱に据えているのは、ヤクルトの相川亮二捕手とDeNAの金城龍彦外野手。ともに38歳で“重し”程度にはなるでしょうが、戦力としては二戦級だし華がない。札束にモノを言わせ、他球団の看板選手を狙い撃ちしてきたあの巨人は、今や見る影もありません。マスコミ業界のカネの流れは紙・テレビから電子媒体へ移行している。収益もそうです。渡辺恒雄最高顧問をもってしてもソフトバンク、いや今の孫さんには太刀打ちできません」

 その孫オーナーの野望は巨人の『V9』を超えることと世界一の球団を作ることにある。補強策も松坂、グリエルにはとどまらない。
 「広島を退団するバリントン投手と、日本球界復帰を希望している川崎宗則内野手(トロント・ブルージェイズ)も狙っています。バリントンは右尺骨神経炎で9月以降は離脱し、今季は9勝8敗に終わったが、ケガさえ治れば2ケタ計算できるし、今季で広島との2年契約が切れる。年俸1億3000万円ならお買い得という判断です。川崎はもともと球団のOBでもあり、ファンの人気も高い。以前と同じ2億4000万円をベースに呼び戻す方針です。現在の年俸は6000万円程度ですから、すんなり復帰するとみられています」(前出のテレビ局記者)
 他にもアスレチックス傘下2AからFAになった中島裕之内野手に4年12億円、昨年6月に右肘の靭帯修復手術を受けたシカゴ・カブス藤川球児投手の獲得にも本腰を入れるなど、総額100億円の選手強化計画を打ち出している。

 これだけカネをかけ、抜きんでた戦力を持つ球団を作る狙いはどこにあるのか。大手広告代理店幹部が孫オーナーの構想を明かす。
 「アリババへの投資で得た8兆円と、同社の電子取引会社やヤフーの検索サイトを使って映画や動画配信サービスをスタートさせるようです。既に孫社長は米国の映画製作会社『レジェンダリー・エンターテインメント』に270億円を投資して合弁会社を設立し、スティーヴン・スピルバーグ氏が設立した映画製作会社のアニメ部門の買収交渉にも乗り出している。それと日本一どころか、メジャーとも渡り合えるソフトバンク・ホークス。この三つを柱に据えて、インターネットや携帯端末を通じて配信サービスするのです。中国の人口が13億5000万人、インドは12億5000万人。この2国だけで26億人というトンデモない市場が出来上がる。そのビジネスを成功させるために、巨人を超えて10連覇を果たし、日米ワールドシリーズを実現させようとしているのです」

 球界の盟主交代は、止めようのない猛スピードで動き出している。

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