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巨人が清宮1位指名 同時に浮上した原辰徳監督再々登板

 巨人はクライマックスシリーズ(CS)出場を逃し、2006年以来11年ぶりのBクラスが確定した。「4位以下でも続投」との内示を得ていた高橋由伸監督(42)ではあったが、CS進出を逃したことで、混乱は避けられない状況だ。

 布石はあった。9月26日のヤクルト戦の試合前、普段は打撃ケージ裏で練習を見守る高橋監督が練習に姿を現さなかったことで、一時騒然となったのだ。これは、就任2年目にして初の事態である。
 通常であれば、チームは10月に入るとすぐに戦力外通告を行わなければならない。そのため鹿取義隆GMらと来季チーム編成について話し合っていたというが、額面通りには受け取れない。ベテラン巨人担当記者は、このように分析する。
 「これは2年連続で優勝を逃したシーズンにはお決まりのパターンで、後から振り返ると“あの日が解任を通告された日だった”という可能性が高い」
 戦力外通告は選手たちだけでなく、首脳陣も同じだ。早めに通告しなければ、再就職先が見つかりづらい。もっとも、巨人が首尾よくCSに滑り込み、日本一を獲得すれば、高橋監督の首はつながったのだが…。

 ところがここで、新たな問題が浮上した。10月26日のドラフト会議である。巨人はこれまで社会人No.1左腕の田嶋大樹(JR東日本)か、夏の甲子園で6本塁打を放った超高校級捕手の中村奨成(広陵)を1位候補としてきた。注目の清宮幸太郎(早実)は実力、人気とも申し分ないが、“ポスティングシステムを行使した上での移籍”がネックになっていたのだ。
 清宮は9月22日の進路表明会見で「自分を厳しく成長させてくれる球団」を条件にプロ入りを表明した。早大進学を断念したのは、メジャーリーグに早期挑戦するためだ。そこで「12球団OK」の見返りに、ダルビッシュ有、田中将大同様に海外FA権獲得を待たず、5年前後でのポスティング移籍容認を要求しているという。プロ志望届け提出に伴い、今週中に巨人を含む獲得希望球団と面談を行い、その回答を確認した上でドラフトに臨むのだ。

 巨人はこれまで、渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆の「選手を売り飛ばすのは言語道断」の方針に沿い、ポスティング移籍は一切認めてこなかった。だが、岡崎郁スカウト部長は「こちらから何か言うことはないが、聞かれたことには答える形になる」とし、希望があれば清宮にポスティング移籍を約束する方針を示唆している。
 「そこで大きな問題となるのが、今季沢村賞、MVPの最有力候補にも挙がるエース菅野智之(28)の存在だ。菅野もメジャー転身を希望しており、今季が入団5年目。海外FA権を得るのは4年後の2021年になる。32歳での渡米を覚悟していたが、清宮に“5年前後でのポスティング行使”を認めれば、菅野も黙ってない。だが、今の巨人から菅野が抜けたら、最下位争いに巻き込まれるのは必至。とはいえ『清宮はよくて菅野はダメ』とも言えず、巨人首脳は頭を痛めている。そこで思い当たるのは、ただ一人、菅野を説得できる“伯父さん”という展開だ」(巨人OBの野球評論家)

 「3度目の原辰徳監督」が浮上したのはそのため。ドラフト会議で清宮の交渉権を引き当てることが条件だが、その日まで高橋監督の続投も含め、次期巨人監督はペンディング…。
 巨人が清宮の交渉権を得て、早期ポスティング移籍を約束しなかった場合、清宮は早大に進学し、米大学への転校を模索するという。

 一方、原氏のもとには、DeNAから次期監督要請があったという。南場智子オーナーはリーグ優勝7回、WBCでも世界一になった監督としての手腕を高く評価。そして何より、原氏は神奈川県出身。横浜スタジアムはまさしくホームグラウンドなのである。
 「実は2年前に巨人監督を退任した際も、DeNAは監督に招聘している。しかし、読売本社の意向を忖度して思いとどまったのです。3年前に亡くなった原氏の父・貢氏が『巨人以外でも監督をして、指導者としての器を大きくしろ』と話していたこともあり、今回は機が熟していました。だが、急に断りを入れてきたそうです」(スポーツ紙デスク)
 今季で2年契約が満了するアレックス・ラミレス監督の続投がようやく“当確”になったのはこのためだ。原氏が要請を蹴ったのは、3度目の巨人監督が視界に入ってきたからに他ならない。よしんば1年待っても、DeNA監督の椅子は保障されたも同然。焦る必要はサラサラないという判断か。

 清宮入団に漕ぎ着け、かつ菅野を残留させるには、「原巨人」以外にはない。もっとも、清宮の1位指名を予定しているのは、オリックス・広島を除く10球団。確率はわずか10%。新旧監督の勝負運が試されている。

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