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熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 〈最終回〉 岩隈久志、イチロー、青木宣親の今後を徹底予測

 ワールドシリーズが終了し、メジャーリーグの各球団から、契約を更新しない選手が発表された。日本人選手では、岩隈久志、イチロー、青木宣親が契約更新を見送られ自由契約になったが、今後、彼らはどうなるのか? 可能性の高いシナリオを予測してみた。

■岩隈久志(マリナーズを自由契約)
 今後のシナリオ:1年200〜300万ドルで他球団と契約。故障リスクの高さが敬遠されてマイナー契約になる可能性も。

 岩隈は今年、5月上旬に肩の故障でDL入り。当初は6月下旬に復帰する予定だったが、メジャー復帰に備えて登板した6月中旬の3Aの試合で肩の痛みが再発し、再びDL入りした。その後はPRP療法(多血小板血漿注入療法)で肩関節の損傷した個所の修復を図ったが効果が見られなかったため、9月29日に肩にメスを入れた。
 これは、肩関節の壊死した部分をきれいに除去したあと、投球動作時に肩関節がストレスなく動くようにするものだ。しかし、復帰まで5カ月かかるため、来期の開幕には間に合わない。
 回復が順調な場合、来年3月から投球練習を再開。4月からブルペンで本格的な投球練習に入り、マイナーリーグで投げ始めるのは5月以降になる可能性が高い。そうなるとメジャー復帰は最短で6月以降となる。
 肩関節の手術から復帰した投手は、なかなか球威を取り戻せないことが多い。そのため、現実的に考えれば、シーズン後半が始まる7月中旬にメジャー復帰が叶えばいい方で、来シーズン中に復帰できない可能性もある。

 岩隈には肩の故障が予想以上に悪かったことに加え、年齢的なハンデもある(来年4月に37歳)。
 しかし、岩隈はメジャー6年間の通算防御率がトップレベルの3.43で、昨年まではメジャーで最もコントロールのいい投手の1人と見なされていた。そのため肩の故障が癒えれば、先発投手として復活できると見る向きが多く、先発のコマが足りないエンジェルス、アスレチックス、ジャイアンツ、ロイヤルズあたりが1年200〜300万ドル(2.2〜3.3億円)程度の捨て金でメジャー契約をオファーしてくる可能性が高い。ただ、肩の故障が予想以上に重かったので、それが敬遠されてマイナー契約しかゲットできない恐れもある。

■イチロー(マーリンズを自由契約)
 今後のシナリオ:メジャー契約は絶望的だが、すぐには引退せず、マイナー契約で他球団に入団し、ラストチャンスに賭ける。

 マーリンズはオーナーが変わり、元ヤンキースのスーパースター、デレク・ジーターが経営陣に加わった。日本では、ジーターは親友イチローをチームに残すと見る向きが多かったが、現実はそう甘くない。新経営陣は若返りによる年俸総額の大幅削減を打ち出しているため、イチローはあっさり自由契約になった。
 衰え知らずだったイチローも44歳。年齢的な衰えが目につくようになったので、メジャー契約をゲットできる可能性は低い。残された選択肢は、引退かマイナー契約しかないが、50歳まで現役を続けることに執念を燃やすイチローが、すぐに引退に傾くとは思えない。比較的外野の選手層が薄い球団にマイナー契約で入団し、キャンプに招待選手として参加して開幕メジャーを目指すことになるだろう。
 しかし、それが実現する可能性は1割もない。イチローが狙うのは4人目の外野手の椅子だが、5、6人の若手と1つのイスを争うことになるため、イチローがオープン戦で4割近い打率をマークしつつ、他の候補者が全員大スランプという事態にでもならない限り、開幕メジャー入りは難しい。メジャーでは同レベルの成績ならベテランより若手が優先されるので、オープン戦で好調を維持し、3割前後の好打率をキープしていてもマイナーに据え置かれ、シーズンイン直前に解雇を通告されることになるだろう。
 これを機に、イチローは引退する腹を固め、1日だけ古巣マリナーズと契約。慣れ親しんだユニホームを着てセーフコフィールドでの引退式に臨みファンに別れを告げる、という展開になるだろう。

■青木宣親(メッツを自由契約)
 今後のシナリオ:日本球界にUターンし、古巣ヤクルトに3年7〜8億円くらいの契約で復帰。

 青木の最大のネックは、来季36歳になることだ。メジャーリーグではこのくらいの年齢になると、かなり実績のある選手でも「上がりの年齢」になったと見なされ、成績が低下していなくても契約のオファーが来なくなる。青木もそのことを承知しているので、メジャーに残ることに執着せず、日本の球界にUターンする腹を固めた模様だ。
 今季、得点力の低下にあえいだ古巣ヤクルトが獲得に動いているので、3年7〜8億円程度の契約で復帰すると思われる。

スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)
今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。

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