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明日話題にできる! 知ったかぶり宇宙講座・バルカン編

 かつて、水星の内側に「バルカン」という未知の惑星の存在が信じられていた。まだ発見もされていない未知の惑星に、名前がつけられる。それほど、その存在は確信されていた。何故か?

 惑星の軌道は真円ではなく、楕円である。一番太陽に近い点を近日点というが、水星の近日点が移動している事実は、ニュートン力学では説明がつかない。そこで、水星の内側に惑星があり、水星の公転運動に影響しているという仮説が立てられた。
 そんな中、フランスの数学者ルベリエが、天王星の運動と力学の計算結果の不一致は、天王星の外側に存在する未知の惑星の重力が、天王星の運動を撹乱させているとの仮説を立て観測データから計算し、未知の惑星軌道を割り出した。その後、望遠鏡観測で発見された海王星の位置は、ルベリエが計算で割り出した軌道と大差は無かった。これで勢いづいたルベリエは水星の内側の惑星の仮説も力説した。新惑星発見レースに火が点き、仮説は確信に変貌し、「バルカン」発見の誤報が繰り返された。もちろん、「バルカン」は発見されなかった。水星の内側に惑星など存在しないからである。

 では何故、水星は軌道を乱すのか? その謎は、アインシュタインの一般相対性理論によって解かれた。「物体は動くと重くなる」簡単に言えば、速く動けばより重くなるのだ。惑星は近日点では速く、遠日点では遅く動く。そのため、近日点では水星は重くなり、軌道どおりのカーブを描けず、外側にはみ出してしまう。それが近日点通過の88日毎に繰り返されるので、水星の近日点は移動するのだ。
 しかし、バルカン探索は全くの無駄だったわけではない。バルカンの太陽面通過のタイミングを狙っていたハインリッヒ・シュワベは、太陽活動周期を発見した。また、多くのクレーターに覆われた水星は、付近に大量の小天体の存在を証明している。バルカンの軌道があるとされていた辺りに、まだ未知の発見が残っている可能性は、ゼロではない。

浪花のホラー職人 七海かりん(山口敏太郎事務所)

山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/

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