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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 ★子供はただ、親にハグされたいだけ『ロケットマン』

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提供:週刊実話

 暑い中、お仕事お疲れ様です。私は1カ月前にスウェーデンへ帰ったからなのか、なんだか暑さが例年より厳しく感じます。涼しい映画館で素敵な作品をいっぱい見ましょう!

 エルトン・ジョンの生い立ち? エルトン・ジョンの曲をよく知らないし、ファンでもないから見に行かない? いやいや、そんな考えは、とても残念です。これは1人の人間の成功物語でありながら、誰もが共感し、シンパシーを主人公に感じられる、とても素敵な1本。先に言いますが、ミュージカル映画です。

 ミュージカル嫌いな方が多い日本。いきなり歌い出すのは嫌という理由だけで、どれだけ傑作を見逃してるのか、想像するだけで私はモヤモヤします。今回、ミュージカルが苦手な知り合いの方に、どうだったのか聞きました。すると、この作品はすんなり見られたとの感想に、「やっぱり!」と胸を撫で下ろしました。

 とてもいいバランスで曲やドラマ、登場人物の葛藤が混ざり合い、すんなりと心に沁みます。まぁ、曲を知らないといっても、たぶん、作品を見たら「え!? これもエルトン・ジョンだったのか!」と、発見がいっぱいあることでしょう。曲は時系列を無視して、シーンに合ったものを選んでいるのがいい。あの名曲『ユア・ソング』の誕生には、さすがに涙が流れました。

 さて、全体の流れと曲はこのくらいにしておいて、私が一番衝撃を受けたのは、親との関係でした。父・母とも素直に息子を受け入れてくれず、これには胸が痛くなりました。なぜなら私も小さい頃、あまり両親とうまく親子関係が持てなかったから。エルトンの親は、彼が大人になっても「どれだけあなたの親でいるのが辛いか…」と、全く愛を注がない。特に、お父さんに関しては、このコラムで文字にするだけでも悔しさがこみ上げます。

 親子関係が辛すぎるのですが、エルトンは親に愛されなくても、人を愛せる感情を失いませんでした。親にハグされたい、これはとても大切なこと。エルトンの大ファンはもちろん、知らなくても驚きの事実がいっぱい。エルトンの芸名の由来だけでもびっくりこ! ラストには本人と、エルトンを演じるタロン・エガートンの写真が出て、どれだけ衣装や仕草が似てるのかよく分かります。特にエルトンの子役と本人のそっくり度合いは必見! 最後まで目を離さないでね。

 もし、お子さんがいたら、帰ってハグしてあげて!

画像提供元:(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
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■ロケットマン
監督/デクスター・フレッチャー 出演/タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン 配給/東和ピクチャーズ 8月23日(金)全国ロードショー。
■イギリス郊外ピナー。厳格な父親と、子供に無関心な母親、ケンカの絶えない不仲な両親の間で、孤独を感じて育った少年レジナルド・ドワイト。そんな彼が唯一、神に祝福されていたのは音楽の才能。天才的なセンスを見出され、国立音楽院に入学する。その後、寂しさを紛らわすようにロックに傾倒する少年は、ミュージシャンになることを夢見て、古くさい自分の名前を捨てることを決意する。新たな彼の名前は「エルトン・ジョン」だった。

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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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