search
とじる
トップ > その他 > 今も佐渡の人々が怯える「オカシクニ伝説」新潟県佐渡島

今も佐渡の人々が怯える「オカシクニ伝説」新潟県佐渡島

 四方を海に囲まれていることから古くは流刑地、また金山の島としての歴史を持ち、都や各地の文化を取り入れつつ独自の文化を育んできた佐渡には、鬼にまつわる“恐ろしい噂”が存在することが分かった。それが「オニカクシ」である。意味は「神隠し」と同じ。人が忽然と姿を消してしまうことを表し、地方によっては「天狗隠し」や「狐隠し」とも呼ばれている。

 そして佐渡という土地柄、この話になると避けて通れないのが北朝鮮による拉致事件。しかし、北朝鮮の建国以前から、オニカクシの伝説はこの地に伝わっていた。

「あれは島ん者を鬼が海に連れ去ってしまう話じゃなかったか。昔は『鬼が来て、海にさらわれてしまうぞ!』って叱られたもんさ」

 そう語るのは70代の老人。オニカクシの話を知る複数の男性に尋ねたところ、いずれも「鬼が海に連れ去る」という部分は一致するため、「オニサライ」とも呼ぶという。

 そして第二次大戦後になると、佐渡各地でオニカクシと噂される失踪事件が頻発する。北朝鮮による犯行とみられる一連の拉致事件である。比較的若い30代後半の島民は、「夜一人で出歩くとオニカクシに遭うから陽が暮れるまでに帰ってこい」と親に言われていたそうだ。

 民話や伝承を次の世代に語り継がせるのは大切なことだが、オニカクシをそれと同じレベルで語ることはできない。今も佐渡はオニカクシの恐怖にさらされているのだ。

その他→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

その他→

もっと見る→

注目タグ