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小池百合子代表が手を突っ込む自民党分断 首班指名に野田聖子

 台風の目と化し、その一挙手一投足に批判と称賛の雨あられが降り注がれる、小池百合子希望の党代表。本人が改めて衆院選への不出馬を宣言した際も同様、安堵と失念の声が飛び交った。それでも永田町には「小池氏は、そうあっさりと政権奪取を放棄しない」との疑心暗鬼が渦巻く。そんな中、なんと“野田聖子首相”実現への仰天プラン情報まで飛び出した。
 そのシナリオを、順を追って関係者らの話から分析してみよう。

 まずは自民党関係者の証言だ。
 「小池氏が出馬しないのは都知事だから当然だ。だが、希望の党に合流した民進議員や、安倍政権を批判する有権者からすれば、出馬によって倒閣まで踏んでいただけに、勢いが急速にしぼんだかに見える」

 しかし、こうも続ける。
 「小池氏が立候補しないのは、予想以上に希望の党の支持率が伸びないからで、伸びていれば120%出馬していただろう。民進から希望の党への入党条件として政策一致しない議員に対し“排除”なんて強い言葉を使ったでしょ。あれが相当利いていて、一部有権者や若い人から反感を買った。それでも小池氏は“首班指名”へ向け次の一手を考えている。それで小池さんは、あの村山政権誕生時の話を出したのだろう」

 小池氏は10月5日、民進党の前原誠司代表と会談後、記者会見で自らの出馬を否定した上で、「自由民主党の方々は羽田政権の後の村山政権を担いだということがあった。こんな形で水と油で血が結ばれたということも、首班指名という言葉で改めて思い出したところだ」と語っている。
 日本社会党(当時)の村山富市内閣の誕生は'94年。自民党は政権奪還のため、憲法改正や安全保障の面で、それこそ水と油だった日本社会党を水面下で説得していた。
 そんな中、日本社会党は裏で仕切る新生党の小沢一郎氏と衝突。そこで自民党は、村山氏を首相にすることで政権奪還を果たした。
 「当時、この動きを察知した小沢氏らは、海部俊樹元首相を自民党から離党させて担ぎ上げ、他の自民党からの離党組を誘い込む工作に出たが、結局は村山氏261票、海部氏214票で、自社さ(新党さきがけ)政権の村山富市首相が誕生した。小池氏は、この与野党の攻防を念頭に、希望の党がイニシアチブを取り自民党に手を突っ込むことを想定している」(自民党重鎮)

 小池氏は自民党時代、'12年の総裁選で石破茂氏を支持。今回の衆院選では希望の党一次候補者で、石破氏の選挙区の鳥取1区に対抗馬を擁立させていない。さらに石破派の大番頭、鴨下一郎元環境相の東京13区でも候補を立てていない。
 「加えて、東京12区をはじめ大阪など、公明党候補のいる選挙区、日本維新の会とも連携して擁立しない。一方、小池氏は都政で、父親が元公明党参議院の猪熊重二氏で都会計管理局長の猪熊純子氏を副知事に据えている。これらの点から考えても、小池氏は一部自民党議員や公明党、維新との連携を目指していることは間違いありません」(同)

 その指摘に対し、小池氏周辺関係者はこう囁く。
 「基本は小池氏が言うように、安倍一強を終わらせてなんぼ。ただ、それにはまず衆院選で過半数割れを起こさせるのが第一です。安倍首相は勝敗ラインを自公で過半数233議席としており、これを大幅に上回れば来年9月の総裁選に出馬して3選を目指すのは火を見るより明らか。その際、石破氏や岸田文雄政調会長が出馬しても、まず勝てない。安倍政権が東京五輪後まで続けば、小池氏の出番も限りなくゼロに近づくことになる」(同)
 一方で、過半数を大幅に下回れば状況は一変し、「自民・公明・希望・維新」政権樹立の可能性も出てくる。ただし前述のように、10月初めの各マスコミの比例代表の投票先世論調査では、自民党が希望の党よりも10ポイント以上の差で上回っており、このままいけば安倍政権延命が現実的。

 それでも小池氏周辺関係者は、「自公で過半数を維持できたとしても、自民が大勝ちしなければ2つのケースが開けてくる」とし、(1)自公で過半数を獲得し自民党が単独過半数を割る230議席前後、(2)自民党が単独で250議席前後の2通りに分けて、その後をこうシミュレートする。
 「(1)の場合、憲法改憲に慎重な公明党がイニシアチブを握り、安倍首相の求心力は落ちる。その際、希望の党が改憲に慎重な姿勢を見せれば、公明は衆院選で対抗馬を控えてもらった恩義から、自民との連立解消し希望の党と組む可能性は高い。(2)の場合、小池氏は自民から石破氏ら非主流派の30人前後を離党させ、希望の党中心の“保守系非自民”の政権誕生に動く。つまり、自民を分断させるということです」

 そのため、かねてから小池氏が石破氏を首班指名するのではないかと言われているが、もう1人、野田聖子総務相を担ぎ上げるという案があるというのだ。
 「石破氏の話はアドバルーンで、あくまで石破氏自身や、自民の浮足立つ様子を見るためのもの。本命は野田氏で、そのために衆院選で野田氏の選挙区(岐阜1区)にも候補者を立てていない。'15年の自民党総裁選時、小池氏は野田氏の推薦人集めをバックアップし、小池氏が都知事選に立候補した時は野田氏が応援に駆けつけた。切磋琢磨しながら協力し合ってきた2人にとって、野田氏が初の女性首相に、次いで小池氏がなるというのが完璧なシナリオ。だから石破氏同様、希望の党はどのような形であれ、野田氏を抱き込むことになるだろう」(同)

 小池氏の野望は、現実となるのか。

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