そんな物袋容疑者がネットを通じベビーシッターを始めたのが昨年11月。そこへ当時から子供を預けるようになったのが、Nさんだった。
「Nさんによれば、一泊一人4000円の計8000円で、週2回のペースで利用していた。ところが、そのうちに料金でもめたり、帰ってきた子供の身体にアザが見つかるなど、トラブルが絶えなかったそうです。そのため最近は利用をやめており、事件に巻き込まれた今回は、“山本”という別の名前の人物と契約し、物袋容疑者に預けることになることはわからなかったとのことです」(社会部記者)
Nさんには、子供2人を預けなければならない事情があった。
「Nさんの自己紹介サイトからもうかがえますが、10代のころから水商売の道に入ったようです。現在はシングルマザーで、カラオケパブに勤めている」(前出・社会部記者)
子供を預けた3月14日からの2泊3日は、ちょうどホワイトデーにあたり、店は超満員で猫の手も借りたいほどだったという。その日も一緒に出勤していたという同僚が語る。
「店は夜7時から深夜1時ごろまでだけど、このときは2時〜3時になった。アフターも付き合わなければならないし、そうなると朝までになってしまう。特にホワイトデーは、店ではもちろん、アフター(の料金)もお得意様持ちになるから、お先にとは言えないのよ。彼女もずっと忙しかったようだし、同僚娘の中学生にまで面倒を見てもらったこともあったから、そうそうに頼めないこともあって、“シッター”を頼ったのでしょうね」
Nさんは父親と同居し、家族4人暮らしだった。近所に母親が別居し、一人で暮らしているという。
「父親は病気がちで、生活保護を受けていたという情報もある。またNさんは託児所や保育園に登録していたと見られますが、実際にはそちらを利用していませんでした。事情を知る人物によれば、料金的に厳しかったのか、送り迎えの条件となっている時間に合わせられなかったようで、結局、ネットのベビーシッターに頼らざるを得なくなったのでは、とのことです」(前出・社会部記者)
最大の被害者は、一番の弱者である子供だったことを忘れてはならない。