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黄志龍デビューで、あのコーチにも称賛の声が

 原巨人が『ローテーションの谷間』を秘密兵器で補った(6月9日)。育成枠で獲得した台湾出身の黄志龍(ファン・ツーロン)が、好調のオリックス打線を苦しめたのだ。
 「原(辰徳)監督は用心深く、4回途中で交代させましたが、責任イニング(5回)を投げる余力は残っていたように見えました。『打たれて交代させた』のではなく、『いい感じのところ』での交代だったので、黄本人にとっても、次の登板に繋がると思う」(プロ野球解説者の1人)

 その黄が関係者を驚かせたことが、もう1つあった。『ミーティング慣れ』していたことだ。前出の解説者によれば、巨人の3番目の捕手にもその傾向が強く見られるという。
 『3番目の捕手』とは、阿部慎之助(31)、鶴岡一成(33)に次ぐ控え要員のことだが、今季、巨人は市川友也(25)、星孝典(28)らを一軍登録させている。
 一般論として、試合前、各球団は先発投手と捕手陣を集めたデータ解析のミーティングを行う。担当コーチ、スコアラーにより、対戦チームのデータが伝えられるのだが、出場機会に恵まれない第3捕手、並びに支配下登録とほぼ当時に一軍先発のチャンスを掴んだ黄はその飲み込みが早かったという。
 「カツノリのおかげですよ」
 二軍バッテリーコーチ、野村克則氏(36)のことである。関係者の1人がそう言う。
 「カツノリは楽天コーチだった去年まで、『教え魔』で有名でしたからね。とくに嶋(基広)を目に掛けていて、個別に呼び出し、1時間以上も2人でデータの確認をしていました。まあ、その影響でバッテリーミーティングの開始時間が遅れたりもしましたが」(前出・同)
 その熱心さは、今日も変わらない。

 当時、カツノリコーチの個人レッスンでミーティング開始時間が大幅に遅れ、かといって試合開始時間を遅らせるわけにはいかず、しどろもどろさせられたこともあったそうだ。その際、父である野村克也監督は「スマンな」と他コーチに謝っていたという。
 「春季キャンプ中、育成枠の河野元貴捕手を気に掛けていましたね。巨人のユニフォームを着ても、トコトンまで教えたがる性格は変わっていません」(チーム関係者)
 “一軍半の選手たち”が、難易度の高い『一軍の試合前ミーティング』にも困らなかったのは、カツノリの『個人ロングレッスン』の免疫も養っているからだろうか。カツノリの熱心な指導ぶりには一軍首脳陣も、選手たちも感謝している。念のため…。
 「二軍から昇格してきた選手をすぐに試合で使うのは、岡崎郁・二軍監督と原監督のコミュニケーションがしっかりしているからですよ。(カツノリの母校である)明治大学の関係者に聞いても、『いいコーチになる』と現役時代から言われていたからね。出場機会に恵まれない時期も長かったし、控え選手の気持ちも分かるんでしょう。名将の父親の頭脳を自分の言葉に言い換えることができるのが彼の強みです」(同)
 二軍に熱心な指導者のいるチームは強い。カツノリの巨人入りが伝えられたとき、「父親の縁故か!?」とヒドイことも言われたものだが、黄の華々しいデビュー登板が全てを払拭してくれたようである。

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