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ドラフトの目玉をパに奪われ続ける巨人阪神 新人が話題作りの無茶振りで潰されてゆく?

 シーズンオフからキャンプ、オープン戦に掛け、プロ野球報道は“話題の新人”に集中する。そのため、近年のプロ野球ニュースは、ドラフトの目玉選手を多く獲得してきたパ・リーグにスポットが当たる割合が大きい。来春のプロ野球報道も、有原航平(22=早大)、安楽智大(18=済美高)を獲得した日本ハムと楽天に集中しそうだ。
 しかし、それを伝統球団の巨人、阪神が黙って見ているはずがない。ましてや阪神は来季、球団創設80周年のメモリアルを迎える。
 「2007年の社会人大学生ドラフトで巨人は村田透投手(現インディアンスマイナー)を1位指名しました。当時、ナンバー1投手の呼び声が高かった大場翔太の抽選に外れ、次に入札した篠田淳平の抽選に外れて選んだ投手なので、事実上の3位指名みたいなものでした。ただ、巨人1位指名選手に取材要請がなかったのは初めてのことで、フロントはショックを受けていました」(当時を知るベテラン記者)

 伝統球団は何も仕掛けなくても取材陣が殺到…。そんな時代ではなくなった。ある意味、このドラフトは巨人が本気で人気回復に乗り出した節目になったといえる。このときのことが相当ショックだったのか、巨人と阪神の新人ピーアールが過剰になりすぎている。
 まず、巨人1位の岡本和真内野手(18=智弁学園)だが、背番号が『38』に決まった旨を伝えた系列スポーツ紙は、『3=長嶋茂雄』『8=原辰徳』と、将来の4番サードを煽る見出しを立てた。高校通算73アーチを放った打撃力は備えているが、岡本には守備難の弱点がある。そこへこんな見出しで煽っては、岡本に余計なプレッシャーを与えるだけだ。
 また、1位入札の抽選を2度外し、12球団最後に1位選手を決めることになった阪神は、横山雄哉(20=新日鉄住金鹿島)が即戦力投手であることを必死にアピールしていた。横山は侍ジャパン21Uに選出され、台湾で行われた『第1回IBAF21Uワールドカップ』に参加。第1ラウンド最終戦のニカラグア戦に先発し、5回1失点で勝利投手になった。
 「球の出所が見づらいのと、落ちる球があるので、和田(毅=カブス)に似ている」
 このように視察に訪れたメジャースカウトのコメントを関西のスポーツ紙が掲載。さらに、21U代表を指揮した平田勝男ヘッドコーチ(55)の「プロのキャンプに入っても、(体力的に)引けを取らない!」なる賞賛談話まで載せていた。

 左腕の横山に期待する気持ちは分かるが、ニカラグアは日本から見れば格下チーム。箔付けが過ぎると、逆に伝統球団のプレッシャーで潰されかねない。
 「来春に行われる宜野座の一軍キャンプでは、初日から掛布雅之DCと江夏豊臨時コーチを合流させる方向で調整しています。往年の投打のスター指導者を揃える理由は、伝統球団の“負”です」(球界関係者)

 阪神の1位指名は、一軍で活躍することなく消えてしまった選手も少なくない。伝統球団の新人には独特の緊張感と過度な期待がファンやマスコミ、ときにはコーチ陣からも寄せられる。その精神的負担で自分を見失うからで、往年の四番とエースにその心構えを伝えてもらおうというのだ。
 「2位指名の石崎剛(24=新日鉄住金鹿島)には中継ぎでフル回転してほしいと、担当スカウトが伝えました」(在阪記者)

 ドラフト上位指名の投手を中継ぎで使うとは、伝統球団の育成にそぐわない。そんなプライドが邪魔をして、適材適所の起用でなくなる。伝統が重荷になるだけならばいっそ捨て去って、新人の育成と起用方針を見直す必要がありそうだ。

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