search
とじる
トップ > 社会 > 東京都青少年健全育成条例改正案可決の舞台ウラ

東京都青少年健全育成条例改正案可決の舞台ウラ

 15日、東京都青少年健全育成条例改正案が、都議会本会議で賛成多数で可決し、成立した。これは子どもの登場人物による性行為が描かれた漫画などの販売・レンタルを規制するもの。同条例は早くから多くの漫画家が反対の立場を表明、さらに小学館や講談社、角川書店、集英社など大手出版社も抗議し、来年3月の東京国際アニメフェアの協力・参加を拒否する緊急声明を発表している。これら反発も強いことから、慎重な運用を求める付帯決議も可決された。

 「この条例はある元副知事からはじまったものです」と語るのは都政を取材するジャーナリスト。「そもそもはそれほど注目されていなかった。石原知事もあまり興味を示していなかった」とのこと。ただ、その副知事が辞めた後も脈々と都庁内では条例が作られていく。

 何度かこれまでも改正案が提出されるも、これまでは都議会の多数を占める民主党が反対の立場を取っていたため可決することはなかった。しかし、きょうの本会議では民主党も賛成に回る。

 「前回の改正案が提出された時は民主党がイケイケドンドン、威勢のいい時で問題視しました。ただ、今は民主党にかつてのような勢いがない。ネットや出版社、表現者などは騒いでいますが、それは残念ながら都民のごく一部。選挙区の支援団体や有権者から、“先生は子供が出てくるエロ本を支持するんですか?”って言われるのを恐れているのでは」(前出のジャーナリスト)

 一般都民からすれば、ネット上で騒がれているほど意識されるような条例でないという認識が、今回の可決につながったと考えられるという。

 最後に都政を取材するジャーナリストは、「この条例の一番の問題は曖昧な部分が多いこと。今は個別に是々非々でやっていくつもりかもしれないが、10年後、20年後に拡大解釈され、表現の自由を著しく侵害する結果になるとも限らない」と語る。

 条例は可決されてしまったが、もう一度、都民でなくともこの条例の意味を考えてみる必要があるかもしれない。

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ