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セ・パ交流戦、継続する意義はある? オーナー会議で楽天・三木谷氏は改革を起こせるか

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 交流戦を継続する意義が問われている。

 2019年のプロ野球セ・パ交流戦は、6月4日にスタートする。昨季のリーグ別の対戦成績はセ・リーグ48勝1分け、パ・リーグ59勝1分け。9年連続でパ・リーグが勝ち越している。その影響もあったのだろう。交流戦の勝敗に関連する“ルール”が変更された。

 ドラフト会議で2位以下の指名順を、セ、パ両リーグで1年おきとする――。

「ドラフト会議の1巡目指名は入札・抽選制。2巡目以降は『交流戦で勝ち越したリーグの最下位チーム』からスタートするウエーバー制となっていました。パ6位、セ6位、パ5位、セ5位…という順番で」(スポーツ紙記者)

 このルールが施行されたのは、2015年。つまり、パ・リーグが交流戦で勝ち越し、ドラフト会議でも優位な立場にいたわけだ。

「交流戦で負けて、ドラフト会議でも優先権を取られ続けたら、たまったもんじゃない。政治的な力を使ってルール変更したんでしょう」

 そんな“際どい冗談”も飛び交っていた。

 しかし、譲歩した側のパ・リーグにも言い分はあった。「交流戦継続のためなら」とし、今回の改定案を受け入れた。

「パ・リーグは交流戦を続けたい一心で、セ・リーグは『やめたい』の一点張り。試合数を減らしたのは、両リーグの折衷案みたいなもの。14年まで計144試合行われていた交流戦が、15年以降、計108試合に減っています。05年のスタート時点では計216試合が行われていました」(前出・スポーツ紙記者)

 パ・リーグの逆襲もささやかれていた。ドラフト会議の順番を交流戦に絡めるのをやめた代わりというわけではないが、パ・リーグ側も次の一手を考えているようだ。

「パの各球団は交流戦期間中、セ側のチームとの対戦を煽るというか、盛り上がるような宣伝コピーを積極的に打ったり、限定グッズなども販売しています。『交流戦はビジネスになる』というのが、パ・リーグ側の認識です」(在京球団スタッフ)

 プロ野球の運営に関する決定機関とも言えるオーナー会議が、逆襲の舞台となりそうだ。今年のオーナー会議の議長は、東北楽天の三木谷浩史オーナーだ。議長は輪番制なので三木谷氏の選出に深い意味はない。

「オーナー会議とは別に、三木谷氏は他球団出席者との茶話会みたいなものも企画しました。ビジネスマンとしても多忙な人なので、オーナー会議の出席率はむしろ低い方でした。茶話会を催し、『今後ともよろしく』みたいな挨拶をしたと聞いています」(前出・同)

 三木谷氏は球界の改革論者とも位置づけられてきた。

 楽天イーグルス誕生の05年から加わった“新参者”だが、過去に「日本は少子化。この先、プレーヤーも減っていくのだから、外国人選手枠を完全撤廃すべき」と“大胆な意見”を述べ、他球団のオジイチャンオーナーたちを驚かせたこともあった。三木谷オーナーも交流戦の試合増論者だ。議長となったことで「その方向に議論を傾けていくのではないか」と警戒する声もあるが、こんな見方もされている。

「三木谷オーナーは意見を言っていい場面では独自の持論を展開しますが、伝統球団の歴史を重んじ、敬意も示してきました。実現不能な改革論は言いません。Jリーグ・ヴィッセル神戸でも、オーナーとして有名外国人選手を獲得しましたが、『巨額な補強費=勝利』とはなりませんでした。ゆっくりとセ・リーグ側を説得し、交流戦の試合数を回復させると思われます」(球界関係者)

 セ・リーグが交流戦の存続に難色を示す理由に、長時間の移動や夜の負担増がある。北海道、福岡に遠征先が拡大される上に、千葉、埼玉で試合があるときは、通常の東京遠征で利用するホテルからでは間に合わないときている。首都圏の遠征と異なるホテルを千葉、埼玉方面にも押さえなければならないという。

 三木谷氏がパ・リーグ側の「交流戦継続」の案を通すには、セ・リーグ側にどう歩み寄るかが鍵となりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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