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西成・あいりん地区でも「名前が気に入らん!」の声が上がる『大阪あべのハルカス』の不人気ぶり

 近鉄グループが総力をあげて建設した日本一高いビル『あべのハルカス』(大阪市阿倍野区・60階建て地上300メートル)が6月13日、来春の全館開業に先駆け百貨店部分をオープンさせたが、関係者は先行きに不安を抱えているという。

 地下2階・地上14階の百貨店部分は近鉄百貨店の新館にあたり、ブランド店や人気レストランがズラリ。阿倍野、天王寺と言えば大阪のターミナルでも庶民的な雰囲気が漂うだけに、その高級感はひときわ目を引く。
 「開業3日間のトータルでは、来店者、売り上げともに前年度に比べてアップしたのですが、オープン初日は開店待ちの行列が約100人という状態で、関係者は『近鉄バファローズの優勝記念セールの方が混雑してた』とヒヤヒヤでした。場所柄、高級店が地元民に継続して受け入れられるか、今後も気を抜けない状況が続いています」(地元記者)

 ハルカスの西、そのお膝元というべき一帯には、新世界や飛田、西成あいりん地区と、大阪では最も庶民的な街が広がっている。住民に聞けば、こんな声も聞こえてくるのだ。
 「あんなもん出来てもわしらの暮らしに変わりはない。ここらには通天閣があったらそれで十分や」

 さらにアベノミクスへの不満も入り混じった、過激な反発も。
 「だいたい“アベ”なんちゅう名前がついた建物が、高いところから下を見下ろしてるのが気に入らん。早よ潰れたらええねん」(新今宮の建設労働者)

 不安材料は他にもある。タワービルの大半を占めるオフィス部分の入居状況だ。目玉になるはずだったシャープの本社移転や、早稲田大学の関西事務所開設の話が頓挫。その影響が、全面開業間近の今も尾を引いているとの見方がある。
 経済紙記者が言う。
 「シャープの話が無くなってからは小フロアの多売に方針を変更し、それなりの効果は上げていますが、それでもテナント不足の感は否めません。今の狙いは外資系。勝負は関空からのアクセスの良さを、どこまでアピールできるかですね」

 中身も日本一になれるか。

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