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お父さんのためのコスプレ講座

 有明・東京ビックサイトで2007夏のコミックマーケット通称「夏コミ」(8月16〜18日)が先日、開催された。コミックマーケットでは同人誌の即売会のほかにマンガ・アニメ・ゲームに登場するキャラクターの格好をして登場人物になりきる「コスプレ」ゾーンが設置され非常に人気だ。「アニメのキャラクターの格好をして何がたのしいのか?」夜の営みで女性にナース服やセーラ服を着せ興奮する男性を変態と呼ぶおじさんたちの感性では少々理解に苦しむ行為に違いない。しかし、こちらの「コスプレ」。その楽しみ方さえマスターすれば中々に萌える素晴らしきイベントなのである。
 コミックマーケットとは全国の同人・サークル呼ばれるアマチュア漫画家たちが自分たちの漫画作品を自費で製本し販売する市場みたいなもの。近年ではマンガに限らずゲームや恋愛小説など表現の幅も広がっている。とはいっても趣味人の集まり。一般の人にはなじみのないイベントではあるが、実はこちらの「夏コミ」、日本でも最大級のイベントの一つ。世界中で日本の文化として根付いてきた「マンガ」や「ヲタク」の発信源として非常に注目されている。会場内を奇抜な衣装で歩き回る人が多い事に気が付く。「コスプレイヤー」たちだ。
 まずコスプレ会場では2種類の人間に分かれる。キャラクターの衣装を身にまとう「コスプレイヤー」通称「レイヤー」と呼ばれる人々と着飾ったレイヤーの写真を撮るアマチュアカメラマン、通称「カメコ」。イベントは非常に単純で会場にいる気になるレイヤーにカメコが「写真撮らせてください」と声を掛け写真を撮る。ただそれだけだ。これではますます頭を抱える人が増えたかも知れないだろう。しかし、会場のコスプレイヤーを見渡すと、特上ではないがかなりカワイイ娘が結構多い。さらに、その娘が丈の短いスカートや露出の多い衣装を着てたりする。そのようなコスプレイヤーには何人ものカメコがへばりつき下から舐めるようにして写真を撮っている。
 「胸チラ、パンチラ天国です」と語るのは10年以上コスプレイベントに通うAさん(28)。最初に見たレイヤーのパンチラが忘れられずに今でも通い続ける。
 「最近のマンガは露出の多いキャラクターが多い。胸の谷間やパンチラなどは当たり前です。しかも、昔みたいにヲタクの集まりではなく広く一般に認知されてきたのでコスプレイヤーの質が格段に上がりカワイイ娘が多くなった。普通の娘がこんなにスレスレの格好で写真を撮ってくださいというイベントが他にあるでしょうか?」
 Aさんは話す時間も惜しいといった雰囲気ですぐに撮影に戻ってしまった。一方、同じくレイヤー専門のアマチュアカメラマンB君は「なんと言っても、この素人臭さが堪らないんです」。
 Bさんの場合、足繁く通うようになった当初の理由は、モデルを使った撮影会とは違い「写真を撮ってもらって嬉しい」というコスプレイヤーの謙虚な態度に感動したのがきっかけだ。
 確かに言われてみれば会場の女性コスプレイヤーはかわいいいが、目立つ美人というより地味な雰囲気がいいと言う感じの美人。体系もプロのモデルほど完成度は高くなく、足などムッチリしているしメークも甘いようだ。
 「未完成なのがいいんです。女の子が汗をダラダラ流し、顔を上気させながらポーズをとってる姿は真剣にエロいです。レイヤーはレイヤーで普通の感じの娘でも少しはエロ的露出みたいなものを意識していてそれがかわいかったり大胆だったり。“エッ!こんな娘が”という感動にいつも溢れている」
 どうやら、コスプレ会場での楽しみと言うのは非常に高度なイマジネーションを必要とするらしい。さらにBさんは続ける。
 「パソコンが得意な人が多いので、あんまりエロをメーンに撮影するとネット上などで悪いうわさが広がりすぐに出入り禁止になってしまう。だからカメコはみんな“レイヤーさんがんばって!!応援してます”と言うのが建前ですが、スキがあればすぐにでもパンチラ、胸の谷間にピントを合わせてゆきます。この辺のゲーム的な感覚や盗み見みたいな感じが楽しいのではないでしょうか」
 実際に私も見よう見真似でレイヤーを撮影してみた。確かに微妙な妄想をくすぐるきっかけはありそうだが何よりも、レイヤーの女性が非常にフレンドリーで親しみやすく笑顔がかわいいい。女性が苦手で相当引っ込み思案な男性でも列に並んで写真を撮れば女性と話しができてうまく行けば友達になれる。ゲームや漫画やカメラなど趣味に没頭するヲタクと呼ばれる人は性格的にはインに入る人が多い、そんな人々のためにコミュニケーションのきっかけとしての効果が大きいのではないだろうか。実際にコスプレイヤーの写真を沢山撮っていると、もう一人の違う人格の自分が出てくるような気がする。いつもと違う自分を演出しているのはコスプレイヤーだけではないようだ。
 カメラが趣味のお父さん。休日は家族を離れもう一人の自分を楽しんではいかが?

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