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【RISE】キック界唯一無二の“ハニカミ王子”優吾が描く、那須川天心戦への思い

『RISE122』
▽4日 後楽園ホール 観衆 1,758人(超満員札止め)
▼バンタム級(-55kg)3分3R延長1R
○優吾・FLYSKYGYM(2R 0分39秒 KO)村山智耶●

KOのゴングが鳴った瞬間、喜びを爆発させた優吾・FLYSKYGYMは、満面の笑みを浮かべながらリング上でぴょんぴょんと跳ねてみせた。昨年9月15日に新鋭の有望株、安本晴翔にKO負けを喫したことで、ハニカミ封印を示唆していたが、年末年始も休日返上で練習に励み臨んだ一戦を、KO勝利という最高の形で終えた優吾が天性の笑顔を隠せるはずもなく、以前より何割も増したハニカミジャンプで、チケットが完売となった後楽園ホールに、幸せの風を吹き込んだ。優吾のハニカミ笑顔には何とも言えない魔力がある。キック界では唯一無二と言ってもいい。

「普通に行けば優吾がいちばん近い」

昨年からキックの取材を始めたとき、私が関係者や古くから取材をされているマスコミの方に「ネクスト那須川天心も追っていきたい」という話をすると、小笠原瑛作とともに、優吾・FLYSKYGYMの名が挙げられることが多かった。年齢は優吾が天心の1歳上。RISEバンタム級ランキングを見ると、瑛作が1位、2位が安本、優吾は3位にランクインしている。この3人の中で現在RISEのリングを主戦場にしているのは、優吾だけなので、本人がアピールすれば天心戦が実現する可能性は皆無ではないはずだ。

「期待されていることはわかってますし、もちろんベルトは狙ってますけど、もっと強い選手とたくさん試合をして勝たないといけない。強い選手に勝って、行けると思ったときに僕の口から名前を出します」

代表質問の後、那須川天心戦についてストレートにぶつけると、こんな答えが返って来た。RISEは世界戦略とともに、ネクスト那須川天心を育てていくことも今後の目標に掲げているだけに、優吾への期待は高いが、この日鮮烈なデビューをした篠塚辰樹のように、新たなスター候補もRISEマットに続々と参戦することは大いに考えられるし、天心に挑戦できるチャンスがいつまでもあるとは思えない。しかし、優吾はハニカミ笑顔で天心戦をアピールするぐらいの余裕がないとベルトを挑戦した“だけ”に終わってしまうことを理解しているのだろう。安本へのリベンジも含めて天心戦への階段を着実に登っていく道を決めた以上、したたかな思いをしっかりと叶えてもらいたい。

■優吾・FLYSKYGYMバックステージコメント
−−試合後かなり喜んでいたが、どんな思いだった?
前回KOで負けて心が折れてたんですけど、いい形で再起ができて嬉しいです。

−−今回の試合に向けて準備してきたことは?
練習の質を上げたということじゃないですかね。

−−練習は好きじゃないと話していたが?
今でも好きじゃないです(笑)。好きじゃないですけど、練習してきた成果はありましたね。

−−最初にダウンを奪ったときにカメラに笑顔を見せる余裕もあったが?
あー嬉しかったんで(笑)。

−−2回目のダウンを奪ったときはどうだった?
ダウン取って手の感触もあったんで、クールな感じを出そうかなと思ったんですけど、ハニかんじゃいました(笑)。

−−ハニカミを卒業したいという思いがある中、ハニかんでしまうところがファンに人気があるのでは?
ハニカミでけっこう皆さんに伝わっているので、嬉しいんですけど…。ハニカミはいいです(とハニかむ)。…卒業できないですね(笑)。

−−今年の目標は?
昨年より飛躍できるように頑張りたいです。

−−どの辺りまで?
チャンピオンですかね。

−−そこには大きな壁があるが?
もっと練習していかなきゃいけないですね。

−−でもベルトを獲りたい思いは?
あります!

−−ファンに一言。
今回いい形で再起できたので、バレンタインも近いですしいいアピールが出来たのかなと思います(笑)。

取材・文・写真 / どら増田

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